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【感想】ユーモア・ユニーク・皮肉のきいた50の物語(星新一『ボッコちゃん』)

活字に慣れていない人は、「この本面白いよ!」と言われてもなかなか本を読むハードルが高いですよね…。

そんな人にオススメな小説がショートショートです。ショートショートとは、文字の通り短い物語。1つあたり大体3ページくらい、長くても10ページで終わります。

今回はショートショートの名手、星新一さんの作品を紹介します。

星新一『ボッコちゃん』です。

スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群!
表題作品をはじめ「おーい でてこーい」「殺し屋ですのよ」「月の光」「暑さ」「不眠症」「ねらわれた星」「冬の蝶」「鏡」「親善キッス」「マネー・エイジ」「ゆきとどいた生活」「よごれている本」など、とても楽しく、ちょっぴりスリリングな自選50編。

ユーモアに富んだ作品。ユニークな発想の作品。現代社会への皮肉がきいた作品。50の物語はどれも面白いです。

今回はその中でも特に好きな3つを取り上げます!

ボッコちゃん

あるバーのマスターが作ったロボット・ボッコちゃん。綺麗の女性のデータで作っているのでとても美人。名前と年齢などの簡単な質問しか答えられないが、ロボットだと気付くお客はいなかった…。

どこか不気味なラスト。たった6ページなのにオチのための伏線がしっかりと張られている。

よくここまで用意周到な物語を構築できるなと感服しました…。

暑さ

夏の日の午後。ある若い男が交番に出頭にやってきました。巡査が、「どんな罪を犯したのか?」と男に聞くと「まだ何もしていない」と言うのだが…。

『ボッコちゃん』収録作品の中で1番好きです!

ラスト1行が強烈過ぎる!

そして、そこに辿り着くまでの伏線がとてつもないスパイスになってます。この作品だけでも良いから、みんなに読んで欲しいですね。

診断

ある病院に入院をしている若い青年。彼は入院先の院長にある不信感を抱いていた。それは自分の伯父と結託して自分の財産を奪おうとしているのではないかというものだった…。

まさかのオチ!

ほかの作品とは違い、かなりストレートな終わり方だったのでびっくりでした。笑

ユーモアのあるオチとしては1番好きな物語です。

まとめ

独特の語り口で、物語の世界にもすぐに入り込めます。短くてもラストにはしっかりとしたオチがついているので、どの作品も面白い!

小説に抵抗があっても楽しめるので、あまり本を読まない人にこそ読んでほしいです!