どんでん返しが大好きな「たかひでの本棚」です。
これまで千冊を超える小説を読んできましたが、中でもどんでん返し系が大好き。予想を覆される、騙される体験が爽快なんですよね。この感覚がわかる方とは友達になれそうです。
この手の小説はほぼ読み尽くしているので、日本に存在するどんでん返しは大抵食らってきています笑。
そんな私が「特に騙された!」「みんなにも同じような思いをしてほしい!」という極上の小説を、30作品ピックアップしました。ひとことと一緒に紹介するので、ぜひ小説選びの参考にしてみてください!
Contents
- 1.綾辻行人『十角館の殺人』
- 2.道尾秀介『カラスの親指』
- 3.我孫子武丸『殺戮にいたる病』
- 4.歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』
- 5.米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
- 6.伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
- 7.麻耶雄嵩『蛍』
- 8.倉知淳『星降り山荘の殺人』
- 9.藤崎翔『神様の裏の顔』
- 10.中山七里『さよならドビュッシー』
- 11.辻村深月『スロウハイツの神様』
- 12.綾辻行人『another』
- 13.道尾秀介『ラットマン』
- 14.木下半太『悪夢のエレベーター』
- 15.若竹七海『クール・キャンデー』
- 16.辻村深月『名前探しの放課後』
- 17.相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
- 18.辻堂ゆめ『あの日の交換日記』
- 19.貴志祐介『新世界より』
- 20.麻耶雄嵩『貴族探偵』
- 21.知念実希人『硝子の塔の殺人』
- 22.岡崎琢磨『Butterfly World 最後の六日間』
- 23.湊かなえ『リバース』
- 24.三津田信三『首無の如き祟るもの』
- 25.浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』
- 26.長江俊和『出版禁止 いやしの村滞在記』
- 27.白井智之『名探偵のいけにえ』
- 28.降田天『彼女はもどらない』
- 29.知念実希人『真夜中のマリオネット』
- 30.夕木春央『方舟』
- 「騙されないぞ!」思って読んでみてください!
1.綾辻行人『十角館の殺人』
「これまでで一番どんでん返しが凄かった小説は何?」と聞かれたら間違いなくこの作品を挙げます。ミスリードから仕掛けられていたトリックまですべてが秀逸。
記憶を消してもう一度あの衝撃を味わいたい…。まだ読んでない人の脳みそがメルカリに出品されてたら買ってます。
“たった一行で世界が反転する”という謳い文句は伊達じゃない。その一行を読んだ瞬間は、何が起きたのか理解できませんでした。ずっと騙された情報でページをめくっていたのです。

2.道尾秀介『カラスの親指』
どんでん返しには大きく2つのパターンがあると思ってます。1つは先ほどの『十角館の殺人』のような「思っていた世界が全くの別物だった」というもの。読者を誤解させるタイプのどんでん返しです。
もう1つが「何もかもが伏線で最後にすべてが一本に繋がる」というもの。登場人物を含めた全員を騙すタイプのどんでん返しです。本作は、このタイプのどんでん返しで私が1番好きな小説です。
詐欺師たちの物語なんですが、最初から最後まで、何もかもが騙しの一部でした。良い感じにヒントがあったことが、最後にはわかるのでより悔しい。でも読後の騙された感は爽快です。

3.我孫子武丸『殺戮にいたる病』
猟奇殺人犯、殺人犯の母、元警察官。3人の視点で殺人事件の真相に迫っていく物語。「どんでん返しがすごい」ではほぼ必ず名前が挙がる作品です。
推理して読んで見ると「真相わかったかも」となるかもしれません。私はそうなりました。しかし、甘く見過ぎていました。全くの予想もしない角度から真実が浮かび上がってくるのです。
あまりの驚きに、後半の数ページは何が起こっているのかを理解できず、文字を追うだけで精一杯。該当箇所を読み返して再び驚いてしまいました…。

4.歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』
こちらも『殺戮にいたる病』と同様、どんでん返しがすごい作品では絶対に名前が出てきます。というのも、本作は「どんでん返しを描くために作られた」と言っても過言ではないからです。
過去と現在。2つの時間軸で話が進んでいくのですが、最後には文字から得ていた情報と現実とのギャップにやられます。気付けるわけがないし、読者を嘲笑うかのようなラストが待ち構えています。(個人的には大好きでした)
本作はその出来栄えから、賛否両論が激しいです。何でもいいからどんでん返しを食らいたい人にはオススメ。アンフェアが嫌いという人は避けた方が良いです。

5.米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
私が一番好きな小説。このサイトではことあるごとに紹介してる作品です。
5つの短編が収録されている本作。すべて最後の一行でどんでん返しが起こります。これは比喩でも何でもなく、本当に最後の最後にどんでん返しが起こるのです。
最初の物語は40ページ程度の短いのですが、最後の一行を読んだ瞬間に思わず笑ってしまいました。愉快な笑いではなく、上手なオチ過ぎたのです。この話にハマったのであれば、全作楽しめるでしょう。特に2作目の「北の館の罪人」と4作目の「玉野五十鈴の誉れ」は間違いなく高評価になるはず。
どんでん返しが好きなら絶対に読んだ方が良い一冊です。

6.伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』
現在と2年前の2つの軸で物語が進んでいきます。これらが最後には一つに繋がるのですが、そこに至るまでの伏線回収が素晴らしすぎる。
何もかもが伏線だった。関係のない描写は一切ないくらい仕掛けられていました。一文字たりとも読み逃しは厳禁というレベルです。
(ネタバレになるので思い切り伏せますが)特に、「○○の○○」という部分は本当に鳥肌もの。こんなに単純なトリックで読者を欺けるのかと感心してしまいました。

7.麻耶雄嵩『蛍』
どんでん返しにしては珍しいタイプの小説。どう珍しいのかは読んでみてください笑。どういう意味なのかは読めばすぐにわかると思います。
クローズドサークルで起こる殺人事件を扱ったミステリではありますが、正直そんなのはどうでも良いです。それ以上にとんでもない仕掛けがありました。小説をよく読む人、特に、どんでん返しを一通り経験した人は絶対に騙されます。
ミスリードも上手だし、騙すポイントが完璧すぎる。最後まで飽かすことのないストーリー展開なので、小説をよく読む人にはオススメしたい小説です!

8.倉知淳『星降り山荘の殺人』
こちらも賛否両論が多い作品。個人的にはとてもありなので、オススメに挙げました。どんでん返し作品の中でも少ない、ある盲点を突いた作品でした。
探偵と助手が訪れた雪の山荘で殺人が起こるという、よくあるクローズドサークルもの。本を読みやすい工夫も施されているのでスラスラ読めます。
そして、最後にはあることに騙されていたと気づかされる。頑張ればわかったかもしれないので、よりスゴイなと感じざるを得ませんでした…。
小説ならではのトリックなんですが、映像化も見てみたいと作品。この意味は読んでもらえばわかると思います。

9.藤崎翔『神様の裏の顔』
神様と呼ばれる学校教師のお葬式。しかし、参列者たちは、彼は「実はとんでもない悪人だったのではないか?」という疑念を持つことになります。
怪しさを感じるまでの過程も面白く、最初の掴みからして上手。登場人物の語りで話が進むのですが、文体が軽いのでスラスラ読めます。小説読まない人でも抵抗感はないはず。
そして、どんでん返し。まさかまさかの展開でゾッとしました。伏線が効き過ぎていて怖くなります。世界観が一変すること間違いなし。

10.中山七里『さよならドビュッシー』
どんでん返しの帝王とも呼ばれる、中山七里さんのデビュー作。
ピアノに打ち込む女子学生の物語です。彼女は火事で祖父と従姉妹を亡くし、自身も全身に大やけどを負ってしまいます。そんな彼女がプロのピアニストを目指し、奮闘するのですが、周囲で不審な事故や殺人が…。
スポ根ミステリという感じなんですが、最後に待ち受けているどんでん返しが素晴らし過ぎた。ミスリードが上手で真相に気付くのは難しいですね…。「これぞどんでん返し」という感じのオチが大好きな一冊です。

11.辻村深月『スロウハイツの神様』
創作家を目指す人が住まう寮・スロウハイツ。ここに住む6人を描いています。既に売れている者もいれば、まだ日の目を見ていない者も。それぞれが抱える悩みや葛藤が丁寧に書かれており、人間ドラマもとても美しかったです。
どんでん返しについてですが、何もかもの伏線ですべてが回収されます。それどころか「そんなところにもあったの?」言わんばかりにジャンジャン出てきます。伏線がインフレを起こしていました。
上下巻なのですが、あっという間に読み切れました。心温まる物語なのに、どんでん返しも秀逸。人を選ばずに楽しめる小説です!

12.綾辻行人『another』
みんなから認識されない生徒。そして、事故死が頻発するクラス。これは呪いによるものらしい…。
作品冒頭は全くわからないことだらけなんですが、徐々にどういうことだったのか明らかになってきます。ただ、謎が明らかになったかと思えば、次は別の謎が姿を見せる。
このような調子で話が進んでいき、最後にはすべてが明らかになります。わけのわからなかった前半から、ある真実が仕込まれていた。これには震えました…。予想をはるかに上回るどんでん返しが待ち構えています。

13.道尾秀介『ラットマン』
23年前に起きた姉の転落死。そして現在、恋人が倉庫で不運な事故死を遂げた。しかし、これらは殺人の可能性もあり…。『カラスの親指』の作者・道尾秀介さんの作品。ミスリードがかなり秀逸な一品です。
「あれはそういうことだったのね!」と思ったら、「そういうことじゃなかったんかい!」という展開がずっと続きます。どんでん返しに次ぐどんでん返しで、最後まで息をつく暇がありませんでした。幾重にも重ねられた罠を味わってみてください!

14.木下半太『悪夢のエレベーター』
ジャックされた観覧車が舞台の作品。家族連れ、ヤクザと連れの女性、スリの先輩と後輩、別れさせ屋の女性。閉じ込められたこの4組の視点で進んでいきます。
この作品でも、全く交わっていなかった線が一本に繋がる爽快感を楽しめました。ジャック事件の背景には“あること”が隠れていたのですが、最後にはすべて明らかになります。テンポの良い会話で物語が展開されるので、スラスラと読み進められるはず。

15.若竹七海『クール・キャンデー』
たった160ページの物語なんですが、ラスト一行がかなり強烈でした…。殺人の容疑をかけられた兄の無実を晴らすために妹が奮闘する。
文体も軽いのでとても読みやすい一冊。小説を普段を読まない人には特にオススメしたいどんでん返し作品です。ただ、衝撃度はかなり高いので、後半は構えておいてください…。

16.辻村深月『名前探しの放課後』
数カ月後に自殺する生徒を止めるために奮闘する高校生たちの物語。上下巻なんですが、数日で読み切れてしまうほど引きこまれました。
作品の隅々にある仕掛けが施されていて、たまりませんでした…。ただ、本作は『ぼくのメジャースプーン』というを読んでいないと驚きは薄くなってしまいます。上下巻だけでも楽しめるには楽しめますが、面白さは1/10以下になってしまうかな…。

是非『ぼくのメジャースプーン』を読んでから手に取ってください!

17.相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
“すべてが伏線”という触れ込みで話題になっている作品。この謳い文句に嘘はありませんでした。本当に何もかもが伏線でした。
霊媒師の能力を持った翡翠が導き出した答えを、作家の香月が論理的に解き明かすというミステリ小説。正直あることが明らかになるまでは「こんなもんか」という印象でした。(伏線分かりやすすぎwwwとさえ思ってましたごめんなさい)
しかし、後半の数十ページで明かされた真実に度肝を抜かれました。上の感想を持っていた自分が恥ずかしくなるくらい、えげつない騙され方をしていたのです…。

18.辻堂ゆめ『あの日の交換日記』
交換日記を題材に描かれる7つの連作短編集。すべての話で最後には驚けるポイントが用意されています。同じようなオチは一つもないので、全部異なるどんでん返しを展開してくるので最高でした。
それぞれの話は独立しているのですが、最後の7つ目の短編ですべてが一本になる。この展開が予想外過ぎました。読んでいた世界、想像していた世界が全く別物だったのです。
単にどんでん返しをしてくるだけではなく、人間ドラマも美しいので心が温まる。辻村深月さんが好きな人は絶対に楽しめる小説です。読みやすい文章なので、活字に慣れていなくてもスラスラ進められすはず!

19.貴志祐介『新世界より』
上中下巻の3冊から成る作品。しかし、上巻はあまり面白くありませんでした。というのも、壮大なSF世界での物語なので、上巻は説明描写が多いんですよね…。世界観を把握するまでは結構大変かもしれません。
ただ、中巻から一気に没頭できるようになるはずです。徐々に世界に関する謎が明らかになってきて、上巻にあった内容がジワジワと効いてきます。
そして、下巻。ページをめくる手が止まりませんでした。緊迫した展開と驚きのラスト。この長さだからこそのインパクトが大きい、衝撃的なオチが待ち構えていました。

20.麻耶雄嵩『貴族探偵』
独立短編集なのですが、本作については「こうもり」が凄すぎるので入れました笑。「驚いた」なんて言葉では済まされない。話が終わってもしばらく意味がわかりませんでした。
読む前から「絶対騙される」「読んでも一回じゃ意味がわからない」とは言われていたにも関わらず、思い切り騙されたし、意味がわからない状態になりました。
そして、読み返してみると、本を投げ出したくなるくらい、めちゃめちゃ上手に欺かれていたことに気づかされました。
この爽快感は全世界の人に味わってもらいたい。「あのトリックは気付かないよね!すごいよね!」ってトークがしたいです笑。

21.知念実希人『硝子の塔の殺人』
地上11階、地下1階のガラスの館で起こる連続殺人。登場人物の職業は医師、刑事、ミステリ作家、編集者など、いわゆるクローズドサークルミステリに出てくるものばかり。狙っているとしか考えられないような設定です。
ミステリが好きなら思わずニヤッとしてしまうような表現が各所にあり、謎解きではない読み物としても楽しいです。
ただ、本書の最大のみどころは謎解きが二転三転では済まないくらい反転しまくるところです。一通りの謎がわかったと思ったらそこから更なる捻りが加えられます。
最後の最後まで騙されていましたし、真実を知った時は一瞬わけがわからなくなりました。2021年のナンバーワン小説でした。
22.岡崎琢磨『Butterfly World 最後の六日間』
人型のアバター=バタフライが生息するVR空間〈バタフライワールド〉。この世界には、ログアウトを一切しないで生活を続けている住人がいるという噂があった。バタフライワールドにずっといたいと願うアキは、ログアウトをしない人が住む館を目指すが…。
VR空間を舞台にした特殊設定ミステリ。この空間では絶対に暴力を振るうことができないようになっていた。にもかかわらず、館の住人が死体で発見されてしまう。
設定がとにかくよくできている作品。よく考えればわかったかもしれないという良いラインで伏線回収とネタバラシあるので、爽快な気分になれます。
23.湊かなえ『リバース』
平凡なサラリーマンの深瀬。そんな彼の恋人のもとに届いた一通の手紙。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた。実は深瀬は、過去に大学時代の友人を亡くしていた。しかし、それは疑惑の事故だった。
手紙をきっかけに、過去の事故の真相を調査していく。そこで浮かび上がった真実とは一体何か。本当に事故だったのか、それとも何者かによる殺人だったのか?
最後の最後に衝撃的な出来事が待ち構えている作品。しかも、一切の余韻を与えずに物語は終わりを迎えるので、読み終えた直後は事態を受け入れるのに少し時間を要します。
「え、これで終わり、ちょっと待って! 消化させて!」となるくらいに強めの衝撃が急に来ます。さすが湊かなえさんという感じの作品です。
24.三津田信三『首無の如き祟るもの』
奥多摩の山奥に伝わる怪異。三つに分かれた旧家の儀式の最中に、事件が起こる。刀城言耶シリーズの第3作目にして、最高傑作としても呼び声が高い作品。奇妙でどこか不気味な空気感の作品で、横溝正史が好きな人はきっと好きになるはず。
詳しくは書けないですが、どんでん返しが渋滞を起こしています。何が起こっていたのかを理解するのにとにかく時間がかかる。けどわかると衝撃的な事実に、茫然としてしまいます。
25.浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』
選ばれた4人の学生が超能力を所持しているという高校を舞台にした作品。そこで連続自殺が発生する。しかも、死んだ生徒たちは自殺なんてするはずのない生徒ばかりだった。
何者かが超能力で生徒を自殺に追い込んでいるのではないか。犯人はどのようにして自殺をさせているのか。特殊設定を駆使したトリックや真相解明がお見事。
それにとどまらず、最後にひと捻りがあるのは本作のもう一つの見どころ。個人的には『六人の噓つきな大学生』よりも好みでした。
26.長江俊和『出版禁止 いやしの村滞在記』
大切な人、信頼していた人に裏切られ、傷ついた人々が再起を期して集団生活を営む「いやしの村」。一方、ネット上には、その村は「呪いで人を殺すカルト集団」という根強い噂があった。果たして村はどのような実態があるのか?
最初から最後まで騙されっぱなしの一冊でした。読み終えてから、何か所も読み返してキレイに騙されていたことに感動してしまいます。こんな風に欺く方法があったとは思わず脱帽です。
2022年読んだ中で一番面白い小説でした。とにかくスゴイです。(語彙力)
27.白井智之『名探偵のいけにえ』
病気も怪我も存在しない楽園で起きた、四つの密室殺人。事件の真相はもちろんですが、100ページを超える圧倒的な推理パートが素晴らし過ぎる。論理的な推理の応酬と最後に待ち受けているどんでん返しがとにかく鮮やか。
先に言っておくと、ミステリを読み慣れていない人は絶対に読まないでください! ミステリ好きがニヤニヤしながら読み進める作品だと思うので、万人受けはしないと思います。
28.降田天『彼女はもどらない』
OL対パパブロガーのネットでの論争から巻き起こる事件。冒頭のプロローグから含め、そこかしこに伏線が張り巡らされています。
ネタバレになるので書きませんが、正直メイントリックについては考えなかったわけではありません。ただ、どう考えても無理があると思っていたら…「なるほど…」となってしまいました。
読み返してみると、キレイに伏線が張られていて、面白いくらいにその通りの世界が描かれていることに気付きます。前作同様に、思っていた世界と実際の世界が全くの別物でした。また、どんでん返しも1つや2つではありません。
29.知念実希人『真夜中のマリオネット』
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をしたところだった。そんな時に搬送されてきた少年は「真夜中の解体魔」なのかもしれない。
自分が救った命は恋人の仇だったかもしれない。しかし、少年と触れ合うにつれ、秋穂は、真犯人は別にいるのではないかと疑い出す。
読後の余韻がしばらく抜けてくれない作品。どんでん返しまでのストーリー展開が上手すぎます。
30.夕木春央『方舟』
地震のせいで地下施設に閉じ込められた9人の男女。脱出をするには誰か1人がそこへ残らないといけない状態になっていた。生贄になるのは誰だ?
そんな時に起こった殺人事件。犯人以外の思惑は一致する。犯人が生贄になれば良いと。人を殺したら自分が残ることが目に見えている状態で、なぜ犯人は殺人を決行したのか。
特殊設定のハウダニットとワイダニット。どちらもとてもよく練られていて、最後のどんでん返しがどえらいことになってました。最後まで絶対に気を抜かないでください。そして、読後の放心状態を心地よく味わってください!笑
「騙されないぞ!」思って読んでみてください!
どんでん返しが強烈な小説を30作品紹介してきました。まだ読んでいない、気になった作品があれば、ぜひ手に取ってもらいたいなと思います!
「騙されないぞ!」と臨んでも十中八九は騙されることでしょう笑。
尚、短編作品だけのどんでん返しランキングは以下でもまとめているので、短い作品を読みたい人はこちらも参考にしてもらえると嬉しいです。

「騙された!」と思って爽快に思えるのは小説の中くらいのはず。本だから味わえる心地よい感覚を体験してみてください!