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【比嘉姉妹シリーズ】読む順番は?澤村伊智『ぼぎわんが、来る』から始まるシリーズの全作あらすじと読む順番を紹介

澤村伊智ー比嘉姉妹シリーズ

2018年に実写映画化された作品「来る」。この作品の原作になっているのが、澤村伊智さんの『ぼぎわんが、来る』です。

予告からも漂ってくる、日本らしさ全開のホラーが話題になった作品です。実はこの作品はシリーズもので、原作では現時点で7冊(2023年11月時点)が出版されています。

今回は、『ぼぎわんが、来る』から始まる、比嘉姉妹シリーズの作品のあらすじを全作紹介していきます!

比嘉姉妹シリーズ?

まずは、比嘉姉妹シリーズとは何かを簡単に説明していきます。

このシリーズは、二人の女性が超常現象に対峙するという構成になっています。その女性こそが比嘉姉妹です。

姉の真琴は、日本でも有数の最強な霊能力者。妹の琴子も同じく霊能力者ではあるものの、姉に匹敵するほどの力を持っているわけではありません。そんな二人が、凶悪な化け物(超常現象を起こしている元凶)を祓うというのが、主なストーリーラインです。

どうなってしまうんだろうというドキドキ感化け物が迫ってくる恐怖感が味わえるホラー小説です。

ただ、それだけでは終わりません。このシリーズは、ちょっとしたミステリー要素も含まれており、最後や途中で驚きの展開を見せてくれることが多々あります。

そのため、怖さを求めている人だけではなく、ミステリーが好きという人すらも虜にしてしまう魅力があります。今回はそんな魅力的なシリーズの読む順番を紹介していきます!

シリーズを順番に紹介

続いてシリーズの刊行順に作品を紹介していきます。作品の時系列には前後がありますが、基本的には刊行された順番で読んでいくことをおすすめします!

1.『ぼぎわんが、来る』

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。それ以降、秀樹の周囲で起こる部下の原因不明の怪我や不気味な電話などの怪異。一連の事象は亡き祖父が恐れた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのか。愛する家族を守るため、秀樹は比嘉真琴という女性霊能者を頼るが…!?全選考委員が大絶賛!第22回日本ホラー小説大賞“大賞”受賞作。(「BOOK」データベースより)

三部構成で進んでいく物語。二部の最初にとんでもない衝撃があるのも魅力で、ミステリー好きとしてはこの点にやられたのと、一気に恐怖が押し寄せてきました。

「ぼぎわん」というひらがなで表記される化け物が、どんどん身に迫ってくる感覚や、脅威的なものとして描かれているので、ドキドキしながら読み進めていました。

ミステリー好きもホラー好きも楽しめる素晴らしい一冊目です。

2.『ずうのめ人形』

不審死を遂げたライターが遺した謎の原稿。オカルト雑誌で働く藤間は後輩の岩田からそれを託され、作中の都市伝説「ずうのめ人形」に心惹かれていく。そんな中「早く原稿を読み終えてくれ」と催促してきた岩田が、変死体となって発見される。その直後から、藤間の周辺に現れるようになった喪服の人形。一連の事件と原稿との関連を疑った藤間は、先輩ライターの野崎と彼の婚約者である霊能者・比嘉真琴に助けを求めるが―!?(「BOOK」データベースより)

不幸の手紙やチェーンメールを題材にした作品で、ずうのめ人形がどんどんと迫ってくるのは、前作と同じような恐怖を感じられました。ただ、本作ははそれだけにとどまらず、ミステリーとしての面白さも詰まった作品です。

謎を解かなければ死んでしまうという緊迫感の中で、最後に明らかになる真相は、衝撃的なものがありました。ホラーとしての面白さの中に、好奇心をくすぐられる謎が用意されている、素晴らしい作品です。

3.『などらきの首』

「などらきさんに首取られんぞ」祖父母の住む地域に伝わる“などらき”という化け物。刎ね落とされたその首は洞窟の底に封印され、胴体は首を求めて未だに彷徨っているという。しかし不可能な状況で、首は忽然と消えた。僕は高校の同級生の野崎とともに首消失の謎に挑むが…。野崎はじめての事件を描いた表題作に加え、真琴と野崎の出会いや琴子の学生時代などファン必見のエピソード満載、比嘉姉妹シリーズ初の短編集!(『BOOK』データベースより)

6つの短編が収録されている作品。どちらかというと、これまでの作品を読んだことがある人向けの作品という位置づけになっているように感じました。

シリーズのファンからすると、キャラクター間の交流をしれたり、過去の話についてを知れたりして、楽しめる。もちろん、単独でも面白い作品もあるので、これだけで読むのも問題はないです。「居酒屋脳髄談義」が個人的には好きな話でした。

4.『ししりばの家』

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。家に招かれ、彼の妻や祖母と交流し癒される果歩だが、平岩邸はどこか変だった。さああという謎の音、部屋中に散る砂。しかし平岩は、異常はないと断ずる。一方、平岩邸を監視する1人の男。彼は昔この家に関わったせいで、脳を砂が侵食する感覚に悩まされていた。そんなある日、比嘉琴子という女が彼の元を訪れ…?(「BOOK」データベースより)

時系列としては『ぼぎわんが、来る』の前にあたる作品です。関わらなければ無害の「ししりばの家」に、ひょんなことから関係をすることになってしまった琴子。

幽霊屋敷を舞台にしたような作品になっており、どちらかというと怖さがメインになっている印象があります。

5.『ぜんしゅの跫』

負傷した真琴に代わり、夜な夜な通行人を襲って引き摺り回し、建造物を破壊すると噂の「見えない通り魔」の調査に乗り出した真琴と野崎。果たしてその意外な正体は!? 論理的にして大胆な霊媒師・比嘉姉妹が大活躍の第2短編集。

5つの短編が収録されている一冊。「鏡」という作品では、『ぼぎわんが、来る』へのアンサーがされている。シリーズを読んでいる人だと、そういう見方もできるのかとなるような要素が盛り込まれた作品。

この他にも、『などらきの首』と同じように、キャラクター同士の関係性を表現している作品を楽しめるのが魅力になっている。

6.『ばくどうの悪夢』

「眠れば、死ぬ」
東京から父の地元に引っ越してきて以来、悪夢に悩まされていた「僕」は、現実でもお腹に痣ができていることに気づく。僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていた。
やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。
理由を探る中でオカルトライターの野崎と真琴からお守りをもらい、僕らの苦悩はいったん静まったかのように思われた。しかし、今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。 「比嘉琴子」と名乗るその女は、夢の中で僕を殺そうとしてきて──。

500ページ近いほどの大ボリュームの物語。今回の舞台は「夢」でした。夢の中で化け物に襲われるという悪夢を見てしまい、しかも襲われた場所は、実際に傷ついた状態になっていた。

「ばくうど」と呼ばれる化け物の正体は何なのか。この現象を真琴と琴子は食い止めることができるのか?

7.『さえづちの眼』

郊外にある名家・架守家で起こった一人娘の失踪事件。「神隠し」から数十年後、架守の家では不幸な出来事が続いていた。何かの呪いではないかと疑った当主は、霊能者の比嘉琴子に助けを求めるが――。

3つの物語が収録されている中編集。時系列では、これまでの作品の途中に位置づけられるような物語が3つ収録されている。ホラーテイストから繰り出される、謎解きや緊迫感が味わえる一冊。