今回は私が大好きな作家の1人、伊坂幸太郎さんの作品を紹介します。
かなり有名な作家さんですので、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
『重力ピエロ』『ゴールデンスランバー』など映画化されている作品も多いですね。
伊坂作品の魅力と言えば…
- ユニークな登場人物
- 軽快なリズムで進んでいく物語
- 爽快な伏線回収の数々
主にこれらが挙げられるかと思います。(書き出すと止まらないので詳細は別の記事で紹介します笑)
その中でも、伊坂幸太郎を始めて読むという人にオススメの1冊を紹介します。
伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』です。
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。
初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑!?
そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ!注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞作。(「BOOK」データベースより)
過去と現在の視点で進む物語
この作品は、現在と2年前の2つの視点で展開されます。
現在
現在の章の主人公は僕(椎名)。
東北の大学に入るために、関東から引っ越してきた学生です。
椎名は、引越しの挨拶をきっかけに、同じアパートの住人・河崎と出会います。
そんな河崎から唐突に「本屋を襲わないか?」と持ち掛けられます。
話を聞いてみると、同じアパートに住む留学生が恋人に振られて落ち込んでいるんだとか。
彼を元気づけるために「本屋から広辞苑を奪ってプレゼントするんだ」と河崎は言い出します。
そんなことがあり、僕は「引越しの挨拶をするときは、本屋を襲う覚悟を持つべき」と学びます笑
2年前
2年前の章の主人公は私(琴美)です。
ペットショップに勤務しており、半年前に出会ったブータンからの留学生と同棲中。
そんなある日、猫を殺したことを楽しんでいる3人組と出会う。
実は数か月前から、ペットを殺す事件が頻発していたのだ。
犯人らしき集団に対して、私は食ってかかるのだった。
最後は2つの時間軸が1つに
河崎と僕を中心に繰り広げられる「現在」。
琴美とドルジが中心の「2年前」。
現在の章は本屋を襲うという話を中心に様々な展開が用意されています。
2年前の章はペット殺しを軸に、琴美とドルジは犯人にどう挑んでいくのか?
これら2つの時間軸が最後には1つにまとまります。
伏線回収の連続で、読んでいて心地良さがありました。
「〇〇の〇〇」はマジで鳥肌モノ
わからない範囲でちょっとした驚きポイントを紹介します。
見出しの内容ですが、この伏線は本当にえげつないです!
マジで鳥肌モノでした。
さすがにわからないし、この発想には脱帽。
物語自体のどんでん返しも素晴らしいのですが、1つ1つの伏線の芸が細かいです。
ユニークな登場人物に、軽快な物語、心地よい伏線回収。
伊坂作品の魅力をふんだんに盛り込んだ作品です。
そのため、私は本作を伊坂初心者にオススメしています。
映像化されている作品
本作は映画にもなっています。
評価も高いので、小説が苦手という人は映像でも楽しめるでしょう。
私としては、本作は小説ならではのトリックや展開も多いので、ぜひ活字で読んでほしいですが笑
ただ、先ほど紹介してえげつない伏線は、映画でもいかんなく発動しています。
ちょっとでも気になった人は、チェックしてみてください!!
どんでん返し好きは読んで後悔はしないはず!