【感想】短編で厳選!どんでん返しがすごい!おすすめ短編TOP10を紹介

独断と偏見で「どんでん返しがすごい短編作品」をTOP10で紹介します。笑

長編作品でのランキングはよくありますが、今回は短編作品の単体でランキングづけしました。尚、同じ作品から複数ランクインもあります。ぜひ、短編集を選ぶ参考にしてください!

10位 「暑さ」(星新一『ボッコちゃん』)

ある男が交番を訪れます。彼は人を殺すかもしれないから、今のうちに逮捕してくれと言うのです。話を聞くと、彼は毎年暑さにやられて、生き物を殺しているというのですが…。

星新一のショートショートから1つ。最後の一文がもたらす余韻が何とも言えない話です。ラストに行き着くまでの警官との会話も良い味を出しているので、より最後が際立っています。星新一らしい皮肉やダーク感のあるお話。オチにはゾッとしました。

尚、収録されている『ボッコちゃん』には50のショートショートが読めます。どれも短い物語なので、数分で読めますよ。未読の方は要チェックです。

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9位 「箱詰めの文字」(道尾秀介『鬼の跫音』)

ある日、貯金箱を盗んだことを謝罪しにやってきた青年。しかし、小説家の僕には身に覚えのない代物だった。中身を開けると紙切れが1枚。「残念だ」という3文字だった。これには、どうやら友人だった「S」が絡んでいるようで…。

たった30ページくらいの話なんですが、何度もどんでん返しが起こります。「え?そういうことだったの?」と思ったのもつかの間、数ページしたら、また別の角度からどんでん返しが襲ってきます。

こんなにも早いテンポで、驚きを提供してくれる物語は他にはあまりないと思います。アッという間に読み終わるのに、満足度はとても高いはずです。

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8位 「幣もとりあえず」(麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』)

座敷童子の伝説が伝わる山奥の温泉宿。そこでは願いを叶えてくれる「いづな様」という存在を迎える儀式が行われようとしていた。しかし、その儀式の最中、参加者の一人が殺されてしまう…。

あらすじを読んで、ただのミステリかと思っていたら大間違いです。表向きは普通の殺人事件なのですが、小説というフィルターを通すと、何が起こっているのかを理解するのに時間がかかってしまいました。

起こっていた内容が複雑過ぎたのです。どんでん返しに慣れている人でも初体験の驚きを味わえることでしょう。

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7位 「立て!金次郎」(朝井リョウ『世にも奇妙な君物語』)

幼稚園で先生をしている金山孝二郎(金次郎)。保護者や先輩からの嫌味やクレームに負けず、子供がイキイキとする幼稚園を目指して奮闘します。「学校行事では生徒に平等にスポットライトを当てるように」が園のモットー。前に出たくないと言っている生徒を「絶対に目立たせるように!」と強く言われてしまいます。しかし、金次郎にはある考えがあり…。

園児のために頑張る先生の金次郎。その熱血さを良しとしていない保護者たち。金次郎は子供のためと思って奮闘をしていくのですが、なかなかうまくいきません。健気に奮闘する金次郎を応援したくなります。

徐々に彼の行動が好転していく様は嬉しくなってくるのですが、ラストにはとんでもない真実が待っています。オチに度肝を抜かれました。「そんなことになっていたなんて…」と思わず笑ってしまいました。

実際に起こっていたら怖いなと思いつつ、世にも奇妙な物語にありそうな痛烈なオチでした。

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6位 「バレンタイン昔語り」(麻耶雄嵩『さよなら神様』)

全知全能の神様に、昨年のバレンタインに死んだクラスメイトを殺した犯人を尋ねた桑町。神様は全く知らない人物の名前を口にした。誰が何のためにクラスメイトを殺害したのか?桑町は独自に調査をするが…。

舞台は学校で。「犯人は○○だよ」という神様のセリフから始まる短編集の1つです。桑町は、事故で死んだと思われたクラスメイトを殺した犯人を聞いたのでした。

神様から告げられた名前は聞いたことのないもの。一体その人は何のためにクラスメイトを殺したのか?

この一連の謎がラストに明かされるのですが、真実が素晴らしすぎます。「神様の言うことは絶対」という設定を存分に使って、とんでもない事実を提示してきます。あまり多くを語るとネタバレになってしまいますが、桑町自身も読者と同じような騙され方をしています。

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5位 「十円参り」(辻村深月『きのうの影踏み』)

小学校時代に流行った、嫌いな人を消せるおまじない。一緒に消したい人の名前を書いた紙を十円玉と一緒に神社の賽銭箱へ入れる。これを十日間連続でやれば、名前を書かれた人はいなくなるという。ある日、突然消えた「なっちゃん」はこのおまじないをかけられたのではないか…?

どんでん返しがすごいというより、本作はインパクトがかなり強い作品です。怪談話のテイストで進んでいくので、どんどん引きこまれていきます。

たった20ページなのに伏線回収がとても上手です。最後には不気味な余韻が残っていて、ゾッとすること間違いなし。「意味が分かると怖い話」が好きな人は楽しめる話です。

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4位 「玉野五十鈴の誉れ」(米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』)

地主一族の小栗家に生まれた女の子、純花。15歳になったある日、玉野五十鈴という同い年の使用人を与えられることになった。五十鈴と出会い、人生が豊かになったのも束の間、伯父が殺人事件の被疑者に。一族の恥とされた純花は屋敷に幽閉され、五十鈴とも離れ離れになってしまう。

ラスト一行が怖すぎる本作。「そんな風に伏線回収するんですね」と狂気を感じました。伏線としての違和感が一切ないので、不意打ち的な感じでどんでん返しが現れます。驚きが半端ない。

収録されている『儚い羊たちの祝宴』は色々な方にオススメしているのですが、みんな口を揃えて「この作品はすごい」と言います。

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3位 「犭(ケモノ)」(道尾秀介『鬼の跫音』)

刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。家族を惨殺した猟奇殺人犯が残した不可解な単語は哀しい事件の真相を示しており…。

家族から疎まれている一人の青年。彼はある日、自身の椅子に彫られて奇妙な文章を見つけた。何を表わしているのかを解明すべく、調査を進めてくと、ある事実が明らかになります。

正直、この話は椅子の謎なんてどうでもよくなるんですよね。それ以上にとんでもないことが最後の最後にわかります。衝撃がとてつもないのです。「これ何だったの…」となり、文字通り茫然としました。

尚、『鬼の跫音』は他の短編もすべて面白いので、気になる方は読んでみてください!

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2位 「こうもり」(麻耶雄嵩『貴族探偵』)

旅行中の2人の女子大生。プライベートで旅行に来ていた作家と出会います。仲良くなったのも束の間。翌日、作家の妻が何者かに殺害されてしまいます。不仲が騒がれていた夫婦ですが、夫にはアリバイがあるようで…。

まずこの話は最後まで読んでも何がなんだかわかりません。そして、読み返して「ふざけんな!」となります。笑

「どんでん返しがあります」と言われて読んでいても絶対に気付けません。というかどんなに気を付けていても、メイントリックの箇所に気が回らないようになってます。

読み返して「ふざけんな!」となりつつも、「本当はこんな風になっていたのね」という気付きはアハ体験に似ていると思います。

この衝撃というか、「え?何が起こったの?」という感覚は是非皆さんに味わってほしいです。

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1位 「北の館の罪人」(米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』)

母を亡くした内名あまりは、ある事情で権力者一族の六綱家で使用人をすることになる。命じられた役割は、別館である北の館に住む長男・光次のお世話。六綱家を継ぐはずだった光次がなぜ、隔離をされているのか?疑問に感じるあまりに、光次は不思議な買い物を依頼するようになる。

ラスト一行が強烈過ぎるので大好きな話です。暑い日だったんですが、最後の一文を読んだ直後に鳥肌が総立ちしました。

伏線回収がとてつもなく上手なのはもちろんなんですが、それがある人にしかわからないように提示されています。その分、すべてを知っている読者に怖さが押し寄せてくるのです。驚きも怖さも一級品。とても素晴らしい短編作品です。

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