【感想】ホラーテイストのブラック感!5つの物語が入った短編集(辻村深月『ふちなしのかがみ』)

過去にも何度か紹介をしている辻村作品。読後感はほっこりする、気持ち良いラストの作風が定着しているように思います。『かがみの孤城』『スロウハイツの神様』『ツナグ』などが有名でしょう。

しかし、実はブラック感に満ち溢れた作品も数多く書かれているのです。『きのうの影踏み』がその最たる例ですね。

今回はブラック辻村の作品を1つ紹介したいと思います。

辻村深月『ふちなしのかがみ』です。

この学校の花子さんは、音楽室から飛び降り自殺した少女の霊です。花子さんは階段に棲んでいて、一生懸命掃除すれば会うことができます。でも、彼女がくれる食べ物や飲み物を口にしてはいけません。嘘をついてもいけません。さもないと―。おまじないや占い、夢中で話した「学校の七不思議」、おそるおそる試した「コックリさん」。青春ミステリの旗手・辻村深月の新境地。懐かしくって怖い現代の怪談が、ついに文庫化。(「BOOKデータベース」より)

ホラーテイストの5つの短編集

タイトルやジャケットから何となく想像できるかもしれませんが、本作はどちらかというと怖い話でしょう。

学校にまつわる都市伝説を題材にした「踊り場の花子」。隠した死体が翌週には再び現れる不思議な体験を描いた「おとうさん、したいがあるよ。など、日常に潜む怖さを上手に描いた物語。

どれも読み始めると、この不思議な世界の虜になってしまいます。乙一さんや恩田陸さんが好きな人もハマるだろうなと思います!

心理描写の書き方はお見事!

辻村作品の魅力と言えば、登場人物の繊細な心理描写。本作でも見事に描かれている作品があります。二作目の「ブランコをこぐ足」がまさにそれですね。

スクールカーストを題材にした、学校の怖さや小学生の行動について書かれています。幽霊なのか、人間なのか。本当に怖いのは何なのかと考えさせられますよ。

辻村節は健在!驚きのある展開

ちなみに私が好きなのは一作目の「踊り場の花子」です。導入部の引き込みもさることながら、伏線の張り方、回収の仕方、オチへの展開などすべてが完璧!

辻村さんの魅力が詰まった素晴らしい作品でした。ちなみに「踊り場の花子」は世にも奇妙な物語で実写化もされています。ほぼ原作通りに描かれていますが、やはり小説だと独特な間もあって楽しめますね。

世にも奇妙な物語が好きな人には絶対に受ける作品集になっています。怖い、奇妙、不思議な短編を読んでみたい人にはオススメです!