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【感想】誘拐された人気教師の運命は?事件に隠された真実とは?(辻堂ゆめ『卒業タイムリミット』)

卒業タイムリミット

辻堂ゆめ『卒業タイムリミット』を紹介します。卒業を間近に控えた3月。高校の人気教師が何者かに誘拐されました。犯人は何のためにこのようなことをしたのか?

私立高校で人気女性教師が誘拐され、72 時間後に始末するとネット動画で予告された。
3年生の黒川のもとに「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。
仲間になったのは、体育会系男子、学年一の美女、そして幼馴染みの優等生。
4人は事件を解決できるのか?

ただの誘拐事件と見せかけて、その先には思いがけない真実がありました。冒頭から仕掛けられていた伏線が最高でしたね。

タイムリミットは72時間

卒業を控えた高校で起こった誘拐事件。学校の人気英語教師が何者かに誘拐されてしまった。犯人曰く、タイムリミットは72時間。それは、高校の卒業式と同じ日でした。72時間は人が飲まず食わずでも生きていられる限界の時間だという。

そして、犯人からの挑戦状が届いたのは4人の生徒。彼らは彼女を救い出すことができるのか?

犯人の目的は?

また、誘拐事件の真相以外にも謎があります。挑戦状が送られてきた4人の高校の生徒には共通点がありませんでした。誘拐事件を解き明かすための人間として、彼ら4人が選ばれたのはなぜなのか?

先生を助け出すために4人の生徒は捜査を始めます。事件を調べるにつれて、容疑者が少しずつ絞れてきます。誘拐された先生と仲が悪いとされていた、3人の教師。

彼らを尾行して、犯人かどうかを調べる生徒たち。犯人は誰か?

そして、目的は一体何なのか?

驚きを用意する構成がキレイ

本作に用意されている謎は大きく2つ。1つは誘拐事件の犯人。もう1つは犯人に選ばれた4人の高校生。誘拐事件の犯人はなぜ事件を起こしたのか?が最も大きな謎になっています。

この事件を描くことが本作ではメインなのですが、実は冒頭からキレイな仕掛けが成されていました。まさかの展開でかなり度肝を抜かれました。驚きを用意するための構成がとても上手。

正直、犯人に関してはあまり驚きはないかなと思います。それ以上に素晴らしいことがこの作品にはありました。気付かないように仕掛けられているのがさらにスゴイところ。どんでん返し好きな人は読んでみてほしいなと思います!