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【本屋大賞2024年】ノミネート10作品を予想してみた

本屋大賞ーノミネート予想ー2024

毎年4月に発表される、書店員が選ぶ本の大賞。それが本屋大賞です。

1月にノミネートの10作品が発表されるのですが、今回はその前に、独断と偏見でノミネート10作品を予想してみようと思います。

※音声メディアでも配信しています。文字ではなく、音声で聴きたいという方はこちらからどうぞ!

本屋大賞とは何?

ノミネート作品の予想に入る前に、まずは、本屋大賞とは何か?を簡単に説明します。

本屋大賞とは、書店員が選ぶ賞として、2004年からスタートしました。一般の文学賞とは異なり、作家や文学者が選考に入ることはない。その名の通り、本屋が選ぶ本の大賞です。2023年では、2021年12月1日~2022年11月30日までに出版された書籍が対象となっています。

本屋大賞ではまず、全国の書店員が3冊の本に投票をします。この一次投票の期間は12月1日~1月4日まで。ここで選ばれた上位10作品がノミネート作品として発表されます。

続いて二次投票が始まって、その中で1位だった本が大賞に選ばれるようになっています。

今回は、一次投票で選ばれるであろうノミネート作品を10冊、予想してみます!

【2024年本屋大賞】ノミネート10作品の予想

それでは、ノミネート発表を前に、私の予想をつらつらと紹介していきたいと思います。

1.井上真偽『アリアドネの声』

救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。
崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。

巨大地震で地下に閉じ込められてしまった女性。彼女は「見えない・聞こえない・話せない」という障がいを抱えており、そんな中で、地下からの脱出をすることになってしまう。

しかし、救助を進めていくうちに、実は彼女は3つの障がいを抱えていないのではないか?という疑念が出てきます。

謎解き要素もありながら、緊迫感も味わえる、ドキドキと真相を気になるワクワクが止まらない一冊となっています。ミステリー小説好きの間では、かなり話題になっていたので、ノミネートされるのではないかと予想しています。

2.一穂ミチ『うたかたモザイク』

『スモールワールズ』『光のとこにいてね』で話題の著者、一穂ミチのきらめきの欠片を集めた作品集。病める時も健やかなる時もーー。あなたの気持ちにぴったり寄り添ってくれる13の物語。甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、味わい深いあなただけの人生がここにある。書き下ろしショートストーリー「透子」も収録。

2023年は『光のとこにいてね』、2022年は『スモールワールズ』がそれぞれ本屋大賞で3位となっていた、一穂ミチさん。常連作家さんになっていますが、今年も一冊ノミネートされるのではないかと予想しています。

その作品は『うたかたモザイク』です。この作品は、13の物語が収録されている短編集で、内容はほっこりするものから、ゾッとするものまで幅広いです。

『スモールワールズ』のような構成の、それぞれが鋭利になっている作品たちが魅力的なようなので、ノミネートされるのではないかと考えています。

3.逢坂冬馬『歌われなかった海賊へ』

1944年、ナチ体制下のドイツ。父を処刑されて居場所をなくした少年ヴェルナーは、体制に抵抗しヒトラー・ユーゲントに戦いを挑むエーデルヴァイス海賊団の少年少女に出会う。やがて市内に敷設された線路の先で「究極の悪」を目撃した、彼らのとった行動とは?──本屋大賞受賞第一作。

2022年に『同志少女よ、敵を撃て』で本屋大賞を受賞している、逢坂冬馬さんのデビュー2作目の作品です。今回はナチ体制下のドイツを描いた作品のようです。

前作(この時はソ連の女性スナイパーが主人公でした)同様に、当時の様子を取材や調べて書き切っているようで、400ページ近い、ボリュームたっぷりの作品です。

まだ読めていないのですが、読了の反響がとても良いことや、前作のような緊迫感を感じるリアルな描写の虜になる方が多いだろうという点で、今作もノミネートされると予想しています。

4.背筋『近畿地方のある場所について』

情報をお持ちの方はご連絡ください。近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

カクヨムという小説投稿サイトで話題となっていた本作。刊行後もミステリーやホラー好きを中心に話題を集めていたように感じます。

2ちゃんねるの洒落怖や意味がわかると怖い話などが好きな人にはたまらない、実話風のホラー小説になっていて、考察のしがいもある点が魅力です。

個人的には、かなり話題になっていたという印象を受けているので、ノミネート作品に予想をしました。(この手の作品がノミネートされるケースはあまり多くない気がするので、どうなのかはわかりませんが…)

5.垣根涼介『極楽征夷大将軍』

混迷する時代に、尊氏のような意志を欠いた人間が、何度も失脚の窮地に立たされながらも権力の頂点へと登り詰められたのはなぜか?幕府の祖でありながら、謎に包まれた初代将軍・足利尊氏の秘密を解き明かす歴史群像劇。

直木賞の受賞作品で、足利尊氏の生涯を描いた歴史小説となっており、受賞直後からSNSでの読了感想や本屋さんでよく見かけていた作品でした。

同じ時に直木賞を受賞している、永井紗耶子さんの『木挽き町のあだ討ち』も歴史小説になっており、個人的にはどちらかはノミネートされるんじゃないかと考えています。

ただ、より歴史小説寄りなのが、この作品なので、予想は『極楽征夷大将軍』にしました!

6.伊坂幸太郎『777』

『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。そのホテルには、物騒な奴らが群れをなす!

殺し屋シリーズの4作品目で、2作目の『マリアビートル』の正式な続編となる作品です。ホテルに集まった殺し屋たちの物語で、『マリアビートル』の新幹線に近いものを感じました。

まだ読めていませんが、殺し屋シリーズならではの個性的なキャラクターが集まっているんだろうなと思います。

シリーズものではありますが、殺し屋シリーズの前作にあたる『AX』が本屋大賞ノミネートされていたのと、『マリアビートル』はノミネートされていないものの11位でした。

『777』の話題性を鑑みても、ノミネートされるんじゃないかと予想しています。

7.宮島未奈 『成瀬は天下を取りにいく』

2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。

発売前からSNSを中心に注目を集めていた作品で、発売後もSNSでは読了を見ない日はないほどの盛り上がりを見せていました。

成瀬という女性が主人公の短編集で、彼女のまっすぐで、何事にも前向きにひたむきに挑戦する姿勢に、清々しい気分になれます。周りがなんと言おうが気にしない。わが道を突っ走るという様子に元気をもらえるし、晴れやかな気分になれる作品した。

8.市川沙央『ハンチバック』

「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。

芥川賞の受賞作品で、かなり衝撃的な物語です…。重度の障害を抱えた女性は、生きれば生きるほどに身体がいびつに壊れていく。そんな女性が、両親の遺した10畳の部屋から物語を綴っているのだった。

話題性と内容からもノミネートされるのではないかと予想しています。それほどまでに、読んだ人に与える衝撃は相当なものでした。

9.青山美智子『リカバリー・カバヒコ』

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバのアニマルライドがあり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。人呼んで”リカバリー・カバヒコ”。アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。高校入学と同時に家族で越してきた奏斗は、急な成績不振に自信をなくしている。偶然立ち寄った日の出公園でクラスメイトの雫田さんに遭遇し、カバヒコの伝説を聞いた奏斗は「頭脳回復」を願ってカバヒコの頭を撫でる――(第1話「奏斗の頭」)出産を機に仕事をやめた紗羽は、ママ友たちになじめず孤立気味。アパレルの接客業をしていた頃は表彰されたこともあったほどなのに、うまく言葉が出てこない。カバヒコの伝説を聞き、口を撫でにいくと――(第3話「紗羽の口」) 誰もが抱く小さな痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

青山美智子さんは2024年もノミネートされたら4年連続となります。一穂ミチさんと同じく、本屋大賞の常連作家さんです。

青山さんの作品は、読後に前向きになれる、落ち込んでる時に読むと薬のような感じで、ちょっと頑張ってみようかなと思わせてくれる。そんな、優しさと温かい後押しが魅力の作家さんです。

この作品は、公園のカバの遊具・通称カバヒコを通じて、交わされる5つの物語が収録されていて、読み終わるとやさしい気持ちになれます。この独特で、美しいストーリーは青山さんならではだなと改めて思いました。

10.多崎礼『レーエンデ国物語』

異なる世界、聖イジョルニ帝国フェデル城。家に縛られてきた貴族の娘・ユリアは、英雄の父と旅に出る。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ寡黙な射手・トリスタンだった。空を舞う泡虫、乳白色に天へ伸びる古代樹、湖に建つ孤島城。その数々に魅了されたユリアは、はじめての友達、はじめての仕事、はじめての恋を経て、やがてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく。

この作品は未読なんですが、本屋さんに行ったら見ない日はないので、予想にいれました。この作品はほぼ間違いなくノミネートされるであろうと思っています。

シリーズもののようですが、今年6月に1巻が出たのに、すでに3巻まで刊行されています。まだ読めていないので、内容はわかっていませんが、冒険ファンタジー小説のようで、勝手に『精霊の守り人』シリーズのような印象を受けています(もしくは『ナルニア国物語』)。

ノミネート作品の発表は2月1日

以上の10作品がノミネート作品の予想です!

これまでに順位予想はやったことがありましたが、ノミネート自体の予想はやったことがなかったので、とても新鮮で楽しかったです。ただ、予想しようにも結構な勘に頼らざるを得ないなと思いました。

ノミネート発表は2024年2月1日(木)だそうなので、ゆっくりと待っていようかなと思います。

発表され次第、ノミネート作品を読んでの順位予想もやるので、今から楽しみです。皆さんのノミネート予想はどうでしょうか?