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【青春×ミステリ】学園が舞台のおすすめミステリ小説10選!絶対に読んで欲しい物語

青春学園ミステリーおすすめ

どのジャンルにおいても不動の人気を誇っているもの。それは学園ものではないでしょうか。アニメやドラマ、映画など、どんな作品でも学園を舞台にした作品は数多く存在しています。

そして、学園で描かれる謎をテーマにしたミステリもたくさんあります。学園×ミステリの楽しさと言ったらありませんよね。

そこで、今回は学園が舞台のミステリ小説を10作品紹介します。

1.青崎有吾『体育館の殺人』

風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。(「BOOK」データベースより)

密室の体育館で起こった殺人事件。その状態で犯行が可能だったのは、女子卓球部の部長ただひとり。はたして犯人と事件の真相は?

犯人ではない理由やおかしいと思う点を、論理的に突き詰めていくというスタイルのミステリです。タイプとしては、井上真偽さんの『その可能性はすでに考えた』にも似ている印象でした。

ラノベのような軽い語り口と特徴的なキャラクターとは対照的に、最後には本格ミステリさながらの、読者への挑戦状が用意されています。

クイーンや本格ミステリが好きな方はもちろんですが、日常の謎が好きな人にも楽しい青春ミステリです。

2.浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。(「BOOK」データベースより)

高校で起こった連続自殺事件の真相に迫るというミステリ。しかも、その高校には、代々、特殊な能力を受け継ぐ生徒が現れる。

期せずして、能力を手にしてしまった、主人公の垣内は連続自殺がどのようにして起こったのか、そして犯人の能力は何かを調査することになる。

学園が舞台で超能力も登場するという、厨二心をど真ん中にくすぐる作品です。伏線回収が素晴らしいし、最後のオチまでキレイでした。途中も面白いので、一気読み必至の作品です。

3.綾辻行人『Another』

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた! この”世界”ではいったい何が起きているのか!?

夜見山北中学に転校することになった榊原。しかし、その学校には不穏な雰囲気が漂っていた。クラスメイトとして存在しているはずの少女・ミサキは、どうやら自分にしか見えていない。さらに、クラスメイトが凄惨な事故死を遂げてしまう。

まず、本作は学校内が特殊な設定になっています。そのため、最初はどういう状況なのかまったくわからず、読む手が止まらなくなるでしょう。

そして、徐々に話の輪郭が明らかになってくると、その状況下での犯人探しが始まります。特殊設定ミステリが好きで、学園ミステリも好きという人は読まない理由がないです。

4.歌野晶午『絶望ノート』

中2の太刀川照音は、いじめられる苦しみを「絶望ノート」と名づけた日記帳に書き連ねた。彼はある日、頭部大の石を見つけ、それを「神」とし、自らの血を捧げ、いじめグループの中心人物・是永の死を祈る。結果、是永は忽然と死んだ。が、いじめは収まらない。次々、神に級友の殺人を依頼した。警察は照音本人と両親を取り調べたが、殺しは続いた。(「BOOK」データベースより)

これまで紹介した学園ミステリとは一線を画す、少し毛色の違うミステリです。主人公は中学二年生の太刀川照音。いじめを受けている彼は、その苦しさをノートに綴っていました。

そして、ある日見つけた石を「神」と崇めるようになります。いじめてくる生徒の死を願うと、実際にその通りになってしまう。一体、何が起きているのか?

事件の背景では何が起こっているのかがとにかく気になって仕方がない作品。しかし、そんなものでは終わりませんでした。

さすがは歌野晶午さんという作品です。『葉桜の季節に君を想うということ』を彷彿とさせるようなどんでん返しが待っていました。

5.恩田陸『六番目の小夜子』

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。(「BOOK」データベースより)

サヨコ伝説というある種のゲームが存在している高校が舞台。サヨコに指名された生徒は、自分の正体がバレなければOK。学校にも良いことが起こる。

しかし、そのゲームには不吉なこともあり…。しかも、やってきた転校生がなぜかその伝説のことを知っており…。

先ほど紹介した『Another』に少し似た雰囲気がある、ホラー要素を含んだ学園ミステリです。最初は何が何だかわからない。しかし、読み進めるにつれて姿が見え始める。ただ、その分、新しい謎が出てくる。一風変わった青春ミステリでしょう。

6.辻堂ゆめ『卒業タイムリミット』

私立高校で人気女性教師が誘拐され、72 時間後に始末するとネット動画で予告された。3年生の黒川のもとに「誘拐の謎を解け。真相は君たちにしか分からない」と挑戦状が届く。仲間になったのは、体育会系男子、学年一の美女、そして幼馴染みの優等生。4人は事件を解決できるのか?

学校の人気英語教師が誘拐された。タイムリミットは72時間。それは卒業式の日時だった。犯人の目的と正体は一体…?

犯人からの挑戦状として、なぜか、卒業を控えた4人の生徒が指名されます。接点が多かったわけではない彼らが選ばれた理由とは。犯人に関する謎だけではなく、なぜ4人が探偵役にされたのかという謎があるのも本作の読みどころです。

また、ミステリ要素だけではありません。学園生活での苦悩や葛藤も描かれており、共感できることもあれば、想像できないけどツライだろうと感じる部分が垣間見えます。文化祭の青春感を味わえる作品だと思います。

7.辻村深月『冷たい校舎の時は止まる』

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう―。第31回メフィスト賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

受験を控えた8人の高校生。ある日、雪が降っている中、彼らはいつも通り学校に登校しますが、8人以外には誰も登校しておらず、学校には先生さえもいない。

さらに、出口は塞がれており、学校から出ることができなくなってしまう。その上、時計が5時53分から動かなくなっている。一体、今この学校では何が起こっているのか?

クローズドサークル×特殊設定×学園という極上の設定。さらに、青春要素がこれでもかと詰め込まれているので、とにかく最高の作品です。上下巻で1,000ページを超えますが、なんてことなく一瞬で読み終わります。

8.降田天『女王はかえらない』

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(「BOOK」データベースより)

小学校のスクールカーストを題材にしたミステリ作品。第一章は小学生の視点で事件が描かれ、第二章では先生の視点。そして、第三章で真相がわかるという構成になっています。

小学校なので、想像する学園ミステリとは少し違うかもしれません。ただ、ミステリとしてのインパクトが凄すぎたので、ここに入れさせてもらいました。

幾重にも張り巡らされた伏線と、一気に回収されていくラスト。予想していた箇所もありましたが、そんなのが気にならないくらい、想像以上の数の伏線が準備されていました。あっと驚かされてください。

9.麻耶雄嵩『神様ゲーム』

自分を「神様」と名乗り、猫殺し事件の犯人を告げる謎の転校生の正体とは? 神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか謎の転校生・鈴木太郎が事件の犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。そして、鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか?(「BOOK」データベースより)

本作も舞台は小学校です。自称神様の鈴木太郎という転校生。彼は全知全能なので、世の中のあらゆる現象を知っているのだと言う。そんな中、市で起きている猫殺しの犯人を追い始める小学生たち。そして、殺人事件へと発展してしまう…。

本作の読みどころは最後のオチにあると思います。なぜそうなるのか?考察のしがいがあるとても秀逸なラストが待っています。

10.米澤穂信『氷菓』

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。(「BOOK」データベースより)

あまりにも有名なのでいれるか迷いましたが好きな作品なので、紹介します!

古典部の文集の名前がなぜ氷菓なのか?

この謎が作品の大きな謎になっています。この謎を解くまでの過程で、日常の謎が3つほど展開されていき、それも楽しく読めるようになっている。しかもキャラクターが魅力的です!

日常の謎と青春の謎解きが良い塩梅で折り合わさっている素晴らしい学園ミステリ作品です。未読の方は本当にもったいないので、今すぐに読んでください!