たかひでの本棚では、小説限定の読書会をおこなっています。
第15回は2025年6月14日(土)神保町にて開催いたしました。テーマはミステリー小説限定の読書会です。8名の方にご参加いただきました。
テーマにあわせて、最初に「ここにいる全員が読んだことがあるミステリー小説を当てる」というのをやってみました。
結果としては、全員読んだことのある作品は出ず。『十角館の殺人』が7名、『方舟』が6名でしたが、全員が手を挙げた作品はありませんでした。
もし、この作品こそは!というのがあれば教えてください!(書きながら『六人の嘘つきな大学生』はいけたのでは?と勝手に思いつきました)
読書会でご紹介いただいた小説と、読書会の雰囲気をレポートとしてお届けします!
目次
読書会の雰囲気
1つのテーブルに集まって、まずは自己紹介。
その後、順々に小説を紹介したり、話を聞いたりという流れでした。ミステリー小説ということもあり、ネタバレなしでの紹介がなかなか難しいですが、気になる本が多かったです。
紹介していただいた8冊の作品をご紹介します!
紹介いただいた小説一覧
孫沁文『 』
「密室の王」と呼ばれる中国の作家の作品。古典的なミステリーが好きな人にはぴったりの設定だそうで、呪いになぞられて3つの殺人事件が起こるという物語とのこと。
それぞれが密室殺人になっているそうです。
また著者自身が日本の文化が好きらしく、作中には少し昔の日本の文化についてを描いたシーンもチラホラ出てくるらしいです。
貫井徳郎『慟哭』
ミステリーにハマる前に読んだ作品としてご紹介いただきました。どんでん返しがすごくて好きだったとのことです。
宗教にハマっていく男と、幼女誘拐事件を追う刑事の2つの視点で物語は進んでいき、最後には…という物語。これ以上のあらすじは読まずに読んでほしい作品とのこと。
貫井さんのデビュー作でもあるので、「デビュー作でこんなの書けるのはすごい!」となり、貫井さんのファンになったというお話もありました!
斜線堂有紀『恋に至る病』
プロローグの書き出しからして良いという作品で挙げていただきました。150人の連続自殺を起こさせたある女の子と彼女に付き添った男の子の物語。
背景には切なさもあり、青春、ミステリーどのジャンルが良いのだろうかとなるような作品。
あらすじや内容が逸木裕さんの『銀色の国』にも似ているという話にもなりました(未読なので興味持ちました)。
佐々木譲『警官の血』
親子3世代の警察を描いた物語。舞台は東京の東部。3世代それぞれの時代背景がしっかりと描かれているのも良い点だそうです。
紹介者さんは戦後が舞台の作品が好きとのことで、本作もその要素があるそう。
3世代の警察はみんなが違った役割の仕事をしているらしく、それも違った見方ができて面白いらしいです。おじいさんの死が大きな謎になっているみたいです。
どの人物にも感情移入できる作品らしく、警察小説を読みたいときにはおすすめの社会派ミステリーとのことでした!
道尾秀介『いけないⅡ』
最近文庫化されたことをきっかけに買って読んだ本ということで紹介いただきました。
普通の本とは異なり、最後のページに写真が1枚載っていて、それによって物語のオチがわかるようになっているのがこの作品です。4つの短編が入っているので、謎を一緒に考えながら読むのも面白いとのこと。
紹介者さんは3つ目の話が特に好きだったとのことでした。二転して最後にまたひっくり返る感じとのことです!
歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』
本の裏に書かれていることしか伝えられない、あらすじを話すことができないという小説。読んでいて「何が起こったんだ?」となる系の小説です。
2004年のこのミス1位だけど、ミステリーぽさはあまり感じなかったとのこと。読んでいたら全然違う話が現れたというのが印象としては強かったそうです。
読んだことある方が数名いたので、ネタバレをしないように「この作品がいかにあらすじ紹介が難しいか?」を会話するシーンも訪れました笑。
歌野晶午さんは『それは令和のことでした』が最近ではおすすめみたいです!
千早茜『透明な夜の香り』
調香師という香りをつくるようなお仕事をしている人が主人公のお話。調香師のもとにくる風変わりな依頼が題材の作品です。
依頼人が何かの秘密を持っていて、探偵が調べると本当の依頼の理由がわかるという感じの物語だそう。本当の理由にはゾッとするものがあったり、優しさを感じられるものある。
登場人物たちの優しさが垣間見えるのも良いとのこと。千早茜さんは温かみのある話が多いと思っていたので、ちょっぴり謎解きもある、狂気を魅せる作品を書いていることに興味を持ちました。
続編の『赤い月の香り』についても少しご紹介をいただき、主人公が少し変わっているが登場人物は同じようです。タイトルの意味が後半でわかってくるのも良かったとのことでした。
東野圭吾『聖女の救済』
人気シリーズのガリレオシリーズの5作品目で2つ目の長編作品。あるIT企業の社長が自宅で急死してしまいます。死因はヒ素中毒でコーヒーを飲んだことが原因のようでした。
容疑者としては複数いるものの、その中でも有力だったのが妻の綾音。しかし、彼女は県外にいたという鉄壁のアリバイがありました。
なぜタイトルが「聖女の救済」なのか?というのがトリックと紐づいていて、読んだ後の納得感と心地良さが素晴らしい作品。『容疑者Xの献身』と同じく、ここまでタイトルとトリックをリンクできるのかとなりました。
次回の読書会情報
次回は8月16日(土)15時開始のホラー小説限定の読書会です。
こちらのページからお申込みを受け付けしています!
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