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【リドルストーリー小説10選】考察が楽しい!結末の意味を考えたくなるミステリ10作品を紹介

考察ーリドルストーリー

この物語の結末はどういう意味なんだろうか。

オチが最後までわからない。読者にゆだねるタイプの物語、リドルストーリーと言われるジャンルがあります。

考察のしがいがある物語なので、作品の展開を先読みをしたり、推理が好きだったりする人にはたまらないでしょう。

今回は考察がはかどって仕方がない、10冊の小説をご紹介します。考察大好きな皆さんはぜひ手に取ってみてください。

なお、できるだけ、核心には触れないように紹介しますが、物語の性質上、多少のネタバレが含まれているのでご注意ください。

1.乾緑郎『完全なる首長竜の日』

植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。(「BOOK」データベースより)

植物状態の人と会話をすることができる医療器具。自殺を図った弟との対話を続ける淳美でしたが、徐々に自分の周囲で不思議な出来事が起こり始める。

前半から仕掛けられていた伏線が回収されていき、すっきりとした謎解きがされていくミステリ作品。なのですが、このままでは終わりません。最後は少しモヤっとした形で物語がしまります。

あなたはこの結末をどのように考えますか? ぜひ読んでみて考察してみてください。

2.今村夏子『むらさきのスカートの女』

「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。

ミステリではないかもしれませんが、多少の考察要素があるのでいれてみました。「むらさきのスカートの女」と仲良くなりたい「わたし」は、あの手この手を使って彼女と近づこうとする。

最終的には、この物語っていったい何だったんだろうか…?と考えさせられる展開に。ちょっとした驚きもあり、作品の仕掛け自体を考えてみたくなる、そんな一冊です。

3.岡嶋二人『クラインの壺』

ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。(「BOOK」データベースより)

VR空間を楽しむことができるゲームの実験に参加した青年。彼はそこでアルバイト雑誌経由で申し込んできた一人の少女に出会います。そして、このゲーム開発には大きな謎があることがわかってきて…。

ネタバレになってしまうので言うのは控えますが、かなり考察しがいのある物語です。考察というよりも、この場合はどうなるのか?という感じでしょうか。

1989年の作品ですが、いまだに色褪せていない。普及の名作だと思います。

4.恩田陸『Q&A』

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。死者69名、負傷者116名、未だ原因を特定できず―多数の被害者、目撃者が招喚されるが、ことごとく食い違う証言。防犯ビデオに写っていたのは何か?異臭は?ぬいぐるみを引きずりながら歩く少女の存在は?そもそも、本当に事故なのか?Q&Aだけで進行する著者の真骨頂。 (「BOOK」データベースより)

都内の大型商業施設で起きた謎の事故。死者と負傷者がともに大きな数にのぼるこの事故は、一体何が原因でどのようにして起きたものなのか。

質問(Q)と回答(A)だけで進む物語で、そもそも事故が何なのかすらも判然としない。その時、現場にいた当事者たちへの質疑応答を通じて、見えてきた答えとは一体何なのか?

5.貫井徳郎『微笑む人』

エリート銀行員の仁藤俊実が、「本が増えて家が手狭になった」という理由で妻子を殺害。小説家の「私」は事件をノンフィクションにまとめるべく取材を始めた。「いい人」と評される仁藤だが、過去に遡るとその周辺で、不審死を遂げた人物が他にもいることが判明し…。戦慄のラストに驚愕必至!ミステリーの常識を超えた衝撃作。 (「BOOK」データベースより)

エリート銀行員が妻子を殺害した。世間をにぎわせたこの事件だったが、犯人と目される人物のことを、誰もが「良い人」と評するのだった。

しかし、学生時代には、彼の周囲で不審死がいくつか起きていたことがわかる。殺人犯としての彼は仮の姿なのか。それとも、本来の姿なのか。

事件の取材を通じて描かれていく謎めいた男の正体。読後にあなたはどのように考えますか?

6.東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』

最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の“現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。(「BOOK」データベースより)

妹を殺された警察官の兄は容疑者を2人まで絞り込む。妹の親友か。元恋人か。

殺したのはどちらなのか?

本作の面白いところは、作中で犯人が名言されないところでしょう。つまり、真相を知るためには、物語の中で提示されたヒントをもとにして、読者が推理を組み立てていくしかありません。

まさにリドルストーリー。推理や考察がとにかく楽しい一冊です。

7.麻耶雄嵩『神様ゲーム』

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。(「BOOK」データベースより)

自称神様・鈴木太郎。彼の言うことに間違いは存在せず、すべてが彼の予言通りに進んでいきます。猫殺しから始まった事件は、殺人事件にまで発展してしまう。

もちろん、犯人の正体も知っている鈴木。彼から犯人の正体を聞いたクラスメイトの芳雄でしたが…。

本作はラストが意味不明ということで有名だと思います。何でそういう展開になるの?となること間違いなし。読後は絶対に考察したくなる小説でしょう。

8.道尾秀介『いけない』

各章の最後のページに挟まれた「写真」には、物語がががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて……。2度読み確実! あまりの面白さが大反響をもたらした、道尾秀介渾身の超絶ミステリ。

4章からなる短編集。各章の最後に写真が1枚載っており、それを見ることで物語のオチがわかるようになる。

ただし、パッと見ただけではオチはわかりません。これまでの物語の経緯や、作中に散りばめられたヒントを頼りにして、謎を解明する必要があります。

考察や推理がはかどること間違いなし。新感覚のミステリ短編です。

9.道尾秀介『いけないⅡ』

大きな話題を読んだ”体験型ミステリー”第2弾。すべての謎がつながっていく。前作を凌ぐ、驚愕のラストが待つ!各話の最終ページにしかけられたトリックも、いよいよ鮮やかです。

『いけない』シリーズの第二弾。物語としてのリンクはほぼないので、前作を読んでなくても楽しめます。

前作と同様に、最後の写真を見ることでオチがわかるようになっています。

前作よりもわかりやすい話が多いように感じましたが、第1章はかなり難解です。そして、終章については、オチがわかるととんでもない読後感に襲われることになるでしょう…。

10.米澤穂信『ボトルネック』

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)

恋人を弔いにやってきていたはずの「ぼく」。しかし、気付けば自分が生まれなかった世界にいた。そこでは「ぼく」の代わりに、サキという姉がいる。

そして、自分の世界では上手くいっていなかったことが、すべて良い方向へ転がっていた。自分自身の存在とは一体なんなのかを考え始めるのだが…。

日常の謎として、ミステリの面白さが存分に味わえる一冊。そして、最後は完全に読者にゆだねる終わりになっています。あなたはどのように選択をしますか?

まとめ

考察がはかどること間違いなしの、リドルストーリーを10作品紹介しました。ネタバレを回避しようとすると、なかなかキレイに説明するのが難しいです…。

リドルストーリーに関しては、自分がどのように感じるのかというものも含めて楽しめると思います。また、様々な解釈ができるので、考察が尽きないというのも醍醐味でしょう。

考察が大好きな方は、ぜひ今回紹介した作品を手に取ってみてください!