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【2024年版】『このミステリーがすごい!』大賞のおすすめ小説10選

このミス大賞

「エンターテイメントを第一義の目的とした広義のミステリー」を対象に、毎年作家の卵たちから多くの応募を集めている新人賞。宝島社が主催している『このミステリーがすごい!』大賞です。

2022年に2クール連続で月9ドラマの原作となった新川帆立さん、どんでん返しの帝王と名高い中山七里さん、バチスタシリーズを筆頭に医療ミステリで有名な海堂尊さん。あまり知られていないかもしれませんが、全員が『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞者です。

また、似た名前で「このミステリーがすごい!」という賞があります。この賞は、その年に刊行されたミステリ作品のランキングを決めるものとなっています。こちらも宝島社が主催です。

こちらは、人気のある本の指標として帯や雑誌で取りあげられることが多く、東野圭吾や宮部みゆきといった著名な作家が上位に名を連ねていたことで有名です。

今回は『このミステリーがすごい!』大賞の歴代受賞作と、書籍化された中からおすすめを10作品厳選しました!

おすすめ作品を10作品ピックアップ!

まずは、おすすめ作品を10作品ピックアップしました。ミステリが好きな人には絶対に読んで欲しいラインナップになっています。

1.海堂尊『チーム・バチスタの栄光』

心臓移植の代替手術“バチスタ”手術専門の天才外科チームで原因不明の連続術中死が発生。不定愁訴外来の田口医師は、病院長に命じられて内部調査を始めた。そこへ厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔がやってきて…。『このミステリーがすごい!』大賞を受賞したのち「SUGOI JAPAN Award 2015」の国民投票で、過去10年間のエンタメ小説の中からベストテンにも選出された傑作医療ミステリー。(「BOOK」データベースより)

第4回の大賞受賞作品。実写ドラマ・映画化され、シリーズとしても人気となりました。

心臓移植におけるバチスタ手術専門の天才外科チームの手術中、連続して死亡してしまうケースが起こる。これは偶然起きた事故なのか。それとも何者かによる意図が介入しているのか。

医療ミステリと聞くと難しそうに聞こえるかもしれませんが、必要な用語もわかりやすく説明されており、話はスッと頭に入ってきます。そして、トリックやオチもかなり面白い!

まだ読んだことない人には絶対読んで欲しい一冊です。

2.中山七里『さよならドビュッシー』

ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。(「BOOK」データベースより)

第8回の大賞受賞作品。火事によって大けがを負った遥。ピアニストを目指していた彼女は、この逆境に負けずに、未来を切り開こうとするという、スポコンのような音楽物語です。途中までは。

殺人事件が発生したり、遥が命を狙われたり、ミステリ要素が続々と起こり始めます。なぜ殺人事件が起きたのか。そして、なぜ遥は危害を加えられそうになったのか。最後に明らかになる真実が、素晴らしいほどのどんでん返しでした。

3.中山七里『連続殺人鬼カエル男』

口にフックをかけられ、マンションの13階からぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。街を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の犯行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに…。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の目的とは?正体とは?警察は犯人をとめることができるのか。(「BOOK」データベースより)

第8回で大賞を受賞した中山七里さん。実はこの第8回に、もう1作が最終選考に残っていました。それがこちらの『連続殺人鬼カエル男』です。

『さよならドビュッシー』とは打って変わって、バイオレンスな描写が多いハードボイルド寄りの作品。しかし、今作もミステリとしての伏線回収や最後のどんでん返しが素晴らしいです。

4.降田天『女王はかえらない』

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(「BOOK」データベースより)

第13回の大賞受賞作品。スクールカーストをテーマにしたミステリで、完成度がとにかく高すぎました。クラスの女王として君臨していたマキでしたが、東京からの転校生によって、カーストに変化が起きる。

伏線があまりにも多すぎて追いきれませんでした。正直、何となくオチが予想できる部分があるのですが、それ以上の数の伏線回収があなたを待っています。

5.辻堂ゆめ『いなくなった私へ』

人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃はある朝、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ます。昨夜からの記憶がなく、素顔をさらしているのに誰からも上条梨乃と認識されない状況に戸惑う。さらに街頭ビジョンには、上条梨乃が自殺したというニュースが流れており…。梨乃は自分を上条梨乃と認識できる青年・優斗らの力を借り、自らの死について調べだす。(「BOOK」データベースより)

第13回の優秀賞受賞作品。人気シンガーの梨乃は目覚めると渋谷のゴミ捨て場にいた。しかし、誰も彼女を梨乃として認識してくれない。それどころか、彼女は死んだことになっていた。

では、私は一体何者なのか。そう思っていた時に現れた1人の大学生。彼だけは彼女が梨乃だと認識できていた。

自分が置かれている状況はどうなっているのか。そして、認識してくれる人としてくれない人の差は何なのか。最後に伏線がキレイに回収されていく、極上のファンタジーミステリです。

6.乾緑郎『完全なる首長竜の日』

植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。(「BOOK」データベースより)

第9回の大賞受賞作品。植物状態の人とコミュニケーションが取れる器機を使って、意識不明の弟と会話をする淳美。弟はなぜ自殺を試みたのか。

弟の真意を探ろうとするが、淳美だったが毎回はぐらかされてしまう。そして、何度かの対話をしていくうちに、徐々に自分の周囲が変なことになっていく。ここは現実なのか、それとも…。

最後の展開をどのように受け止めるのか。何が起きたのかはぜひあなたの目で確かめてください。

7.鴨崎暖炉『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』

「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。
そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。

第20回に文庫グランプリを受賞した作品。密室殺人の場合、トリックが解けない限りは有罪にはならないという判例が出た世の中が舞台です。

そのため、ここでは密室殺人が頻発に起きるようになり、密室専門の探偵や、密室作りを仕事にする悪人が出てきます。

物語は短編のような形で、さまざまな密室殺人が現れては解決されていく。そして、物語を通じての大きな謎もあり、最後に大きなネタバラシが待っています。密室をここまで全面的に使った作品は珍しくて、面白さがありました。

8.岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり―。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。(「BOOK」データベースより)

第10回の隠し玉として出版されることになった作品。その後、シリーズものとして大ヒットしているので、まさに隠し玉でした。

京都の喫茶店を舞台に、主人公が持ち込む日常の謎をバリスタが解決していくという物語。コーヒーに関する雑学を楽しみつつ、謎解きが進んでいくという点は読んでて面白かった点でした。

9.歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑 定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会い、意外な真相にたどり着く。さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。

第18回の大賞受賞作品。「紙鑑定」を「神探偵」と間違えられたことから物語は始まりますが、その依頼が、大きな事件に繋がっていたという展開へ。

紙という普段はあまり触れたことのない新しいジャンルでのミステリ。かなり密接にかかわってくるわけではないですが、プラモデルやジオラマなどの要素が謎解きに役立つ点などが、真新しさ満載でした。

10.新川帆立『元彼の遺言状』

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、
弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。
数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。

第19回の大賞受賞作品。2022年に月9でドラマ化された作品。弁護士の剣持麗子は「自分を殺した者に全財産を譲る」という元彼の遺言状に導かれ、犯人の選考会に参加することになった。

不審死というわけではない元彼の死。彼はなぜそのような謎めいた遺言書を遺したのか。そして、犯人選考会は別の殺人事件にも発展をしていってしまう。

最後まで展開が読めずに、一気に推理が進んでいく解決パートがとても鮮やかな一冊でした。

2024年最新版!『このミステリーがすごい!』大賞の歴代大賞受賞作品

これまでの歴代大賞受賞作品の一覧を紹介していきます。全28作をあらすじと一緒にご紹介します。(第1回、第3回、第7回、第8回、第12回、第14回は2作品が大賞を受賞)

第22回(2024年)白川尚史『ファラオの密室』

紀元前1300年代後半、古代エジプト。死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。
ミイラのセティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。
棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失し、外の大神殿で発見されたというのだ。
この出来事は、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか?
タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはエジプトを救うため、ミイラ消失事件の真相に挑む!
浪漫に満ちた、空前絶後の本格ミステリー。

第21回(2023年)小西マサテル『名探偵のままでいて』

「認知症の老人」が「名探偵」たりうるのか?
孫娘の持ち込む様々な「謎」に挑む老人。日々の出来事の果てにある真相とは――?
認知症の祖父が安楽椅子探偵となり、不可能犯罪に対する名推理を披露する連作ミステリー!

第20回(2022年)南原詠『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』

特許権を盾に企業から巨額の賠償金をふんだくっていた凄腕の弁理士・大鳳未来。現在は「特許権侵害を警告された企業を守る」ことを専門にし東奔西走している。今回のクライアントは、映像技術の特許権侵害を警告され、活動休止を迫られる人気VTuber・天ノ川トリィ。調べるうちにさまざまな企業の思惑が絡んでいることに気づいた未来は、トリィを守るため、いちかばちかの賭けに出る――。

第19回(2021年)新川帆立『元彼の遺言状』

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、
弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。
数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。

第18回(2020年)歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人』

どんな紙でも見分けられる男・渡部が営む紙鑑定事務所。ある日そこに「紙鑑 定」を「神探偵」と勘違いした女性が、彼氏の浮気調査をしてほしいと訪ねてくる。手がかりはプラモデルの写真一枚だけ。ダメ元で調査を始めた渡部は、伝説のプラモデル造形家・土生井(はぶい)と出会い、意外な真相にたどり着く。さらに翌々日、行方不明の妹を捜す女性が、妹の部屋にあったジオラマを持って渡部を訪ねてくる。土生井とともに調査を始めた渡部は、それが恐ろしい大量殺人計画を示唆していることを知り――。

第17回(2019年)倉井眉介『怪物の木こり』

良心の呵責を覚えることなく、自分にとって邪魔な者たちを日常的に何人も殺してきたサイコパスの辣腕弁護士・二宮彰。ある日、彼が仕事を終えてマンションへ帰ってくると、突如「怪物マスク」を被った男に襲撃され、斧で頭を割られかけた。九死に一生を得た二宮は、男を捜し出して復讐することを誓う。一方そのころ、頭部を開いて脳味噌を持ち去る連続猟奇殺人が世間を賑わしていた―。(「BOOK」データベースより)

第16回(2018年)蒼井碧『オーパーツ 死を招く至宝』

貧乏大学生・鳳水月の前に現れた、自分に瓜二つの男・古城深夜。鳳の同級生である彼は、オーパーツ―当時の技術や知識では制作不可能なはずの古代の工芸品―の、世界を股にかける鑑定士だと自称した。水晶髑髏に囲まれた考古学者の遺体に、密室から消えた黄金シャトルなど、謎だらけの遺産をめぐる難攻不落の大胆なトリックに、変人鑑定士・古城と鳳の“分身コンビ”の運命は?(「BOOK」データベースより)

第15回(2017年)岩木一麻『がん消滅の罠 完全寛解の謎』

呼吸器内科の夏目医師は生命保険会社勤務の友人からある指摘を受ける。夏目が余命半年の宣告をした肺腺がん患者が、リビングニーズ特約で生前給付金を受け取った後も生存、病巣も消え去っているという。同様の保険金支払いが続けて起きており、今回で四例目。不審に感じた夏目は同僚の羽島と調査を始める。連続する奇妙ながん消失の謎。がん治療の世界で何が起こっているのだろうか―。(「BOOK」データベースより)

第14回(2016年)一色さゆり『神の値段』

マスコミはおろか関係者すら姿を知らない現代芸術家、川田無名。ある日、唯一無名の正体を知り、世界中で評価される彼の作品を発表してきた画廊経営者の唯子が何者かに殺されてしまう。犯人もわからず、無名の居所も知らない唯子のアシスタントの佐和子は、六億円を超えるとされる無名の傑作を守れるのか―。美術市場の光と影を描く、『このミス』大賞受賞のアート・サスペンスの新機軸。(「BOOK」データベースより)

第14回(2016年)城山真一『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』

石川県庁の金融調査部で相談員として働く百瀬良太は、会社の経営難に苦しむ兄が、株取引の天才、黒女神こと二礼茜に大金を依頼する場に同席した。金と引き換えに依頼人の“もっとも大切なもの”を要求する茜は、対価として良太を助手に指名する。依頼人に応える茜の活躍を見守る良太。彼女を追いかける者の影。やがて二人は、日本と中国の間で起こる、国家レベルの壮絶な経済バトルに巻き込まれていく。(「BOOK」データベースより)

第13回(2015年)降田天『女王はかえらない』

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(「BOOK」データベースより)

第12回(2014年)梶永正史『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』

警視庁捜査二課主任代理、郷間彩香。三十二歳、独身、彼氏なし。贈収賄や詐欺などの知能犯罪を追う彩香は、数字に手掛かりを求めて電卓ばかり叩いているため“電卓女”と呼ばれている。そんな彩香に刑事部長から特命が下った。渋谷で発生した銀行立てこもり事件の指揮をとれというのだ。犯人が現場の指揮と交渉役を彩香に任命するよう名指ししたという。彩香は困惑しながら臨場するが…。(「BOOK」データベースより)

第12回(2014年)八木圭一『一千兆円の身代金』

元副総理の孫が誘拐された。日本政府に突きつけられた犯人からの要求は、財政赤字とほぼ同額の1085兆円の支払いか、巨額の財政赤字を招いた責任を公式に謝罪し、具体的再建案を示すかの二択だった―。警視庁は捜査一課特殊犯係を直ちに全国に派遣し、国家の威信をかけた大捜査網を展開させる。やがて捜査陣は、あるブログを見つけるが…。(「BOOK」データベースより)

第11回(2013年)安生正『生存者ゼロ』

北海道根室半島沖に浮かぶ石油掘削基地で職員全員が無残な死体となって発見された。陸上自衛官三等陸佐の廻田と感染症学者の富樫らは、政府から被害拡大を阻止するよう命じられる。しかし、ある法則を見出したときには、すでに北海道本島で同じ惨劇が起きていた―。未曾有の危機に立ち向かう!壮大なスケールで未知の恐怖との闘いを描く。(「BOOK」データベースより)

第10回(2012年)法坂一広『弁護士探偵物語 天使の分け前』

「殺した記憶はない」と、母子殺害事件の容疑者・内尾は言った。裁判のあり方をめぐって司法と検察に異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受ける。復帰後、事件の被害者・寅田が私の前に現れ、私は再び、違和感を抱えていた事件に挑むことに。その矢先、心神喪失として強制入院させられていた内尾が失踪。さらに周囲で不可解な殺人が起こり…。(「BOOK」データベースより)

第9回(2011年)乾緑郎『完全なる首長竜の日』

植物状態になった患者とコミュニケートできる医療器具「SCインターフェース」が開発された。少女漫画家の淳美は、自殺未遂により意識不明の弟の浩市と対話を続ける。「なぜ自殺を図ったのか」という淳美の問いに、浩市は答えることなく月日は過ぎていた。弟の記憶を探るうち、淳美の周囲で不可思議な出来事が起こり―。衝撃の結末と静謐な余韻が胸を打つ。(「BOOK」データベースより)

第8回(2010年)太朗想史郎『トギオ』

捨て子の「白」を拾ったがために、大きく狂いはじめる主人公の人生。村八分に遭い、クラスメイトからも陰湿ないじめを受ける。村を出た主人公は港町に流れつき、やがて大都会・東暁“とうぎょう”を目指す。悪事に手を染め、殺伐とした東暁で地べたを這いつくばって生きる主人公が唯一気にかけていたのは、村に置いてきた白のことだった―。(「BOOK」データベースより)

第8回(2010年)中山七里『さよならドビュッシー』

ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遙、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する―。(「BOOK」データベースより)

第7回(2009年)柚月裕子『臨床真理』

人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年―藤木司を担当することになった、臨床心理士の佐久間美帆。知的障害者更生施設に入所していた司は、親しくしていた少女、彩を喪ったことで問題を起こしていた。彩は自殺ではないと主張する司に寄り添うように、美帆は友人の警察官と死の真相を調べ始める。だがやがて浮かび上がってきたのは、恐るべき真実だった…。人気を不動にする著者のすべてが詰まったデビュー作!(「BOOK」データベースより)

第7回(2009年)山下貴光『屋上ミサイル』

美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこでリーゼント頭の不良・国重嘉人、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望をもつ平原啓太と知り合う。国重の強引な提案で、「屋上部」を結成した4人は、偽の神様を騙る通り魔、ストーカー、絵画詐欺、殺し屋との遭遇など、屋上の平和を脅かす事件に次々と巻き込まれていく。

第6回(2008年)拓未司『禁断のパンダ』

神戸でフレンチスタイルのビストロを営む料理人・柴山幸太は、レストラン評価本で最高の評価を得た店「キュイジーヌ・ド・デュウ」で行われる結婚披露宴に出席。そこで人間離れした味覚を持つ料理評論家、中島と出会う。料理に、ほんの一滴使用された隠し味を当てる幸太に料理人としてのセンスを認めた中島だが、この出会いの裏側では、美食界を揺るがす計画が進んでいた。(「BOOK」データベースより)

第5回(2007年)伊園旬『ブレイクスルー・トライアル』

技術の粋をつくしたIT研究所に侵入し、ミッションをクリアすれば1億円が手に入る一大イベントが開催されることになった。元IT企業の社員チームや、ひょんなことから紛れ込んだダイヤモンド強盗犯グループなどが参加を表明。生体認証や警備ロボットをはじめ、数多のセキュリティが設置された難攻不落の要塞を攻略するのはどのチームなのか。(「BOOK」データベースより)

第4回(2006年)海堂尊『チーム・バチスタの栄光』

心臓移植の代替手術“バチスタ”手術専門の天才外科チームで原因不明の連続術中死が発生。不定愁訴外来の田口医師は、病院長に命じられて内部調査を始めた。そこへ厚生労働省の変人役人・白鳥圭輔がやってきて…。『このミステリーがすごい!』大賞を受賞したのち「SUGOI JAPAN Award 2015」の国民投票で、過去10年間のエンタメ小説の中からベストテンにも選出された傑作医療ミステリー。(「BOOK」データベースより)

第3回(2005年)深町秋生『果てしなき渇き』

部屋に麻薬のカケラを残し失踪した加奈子。その行方を追う、元刑事で父親の藤島。一方、三年前。級友から酷いイジメにあっていた尚人は助けてくれた加奈子に恋をするようになったが…。現在と過去の物語が交錯し、少しずつ浮かび上がる加奈子の輪郭。探るほどに深くなる彼女の謎。そして用意された驚愕の結末とは。(「BOOK」データベースより)

第3回(2005年)水原秀策『サウスポー・キラー』

人気球団オリオールズの投手・沢村。ある日、沢村の「暴力団との癒着」と「八百長試合」を指摘した告発文書が球団とマスコミに送りつけられ、身に覚えがないにもかかわらず、沢村は自宅謹慎処分を受けてしまう。自身の潔白を証明するため、告発文書の調査を開始する沢村。やがて彼がたどり着いたのは周到に計画された恐ろしい陰謀だった! (「BOOK」データベースより)

第2回(2004年)柳原慧『パーフェクト・プラン』

代理母が引き起こした前代未聞の誘拐事件!かつて新宿三丁目界隈に名を馳せるホステスだったが、現在は代理母として生計を立てる小田桐良江は、自分が産んだ子供が虐待を受けていることを見かねて連れ出してしまった。そんな時に声をかけてきた老舗キャバクラ店の店長・田代幸司は、事情を知り驚愕するも、誘拐を利用したある大金強奪計画を思いつく。

第1回(2003年)浅倉卓弥『四日間の奇蹟』

脳に障害を負った少女とピアニストの道を閉ざされた青年が山奥の診療所で遭遇する不思議な出来事を、最高の筆致で描く癒しと再生のファンタジー。 (「BOOK」データベースより)

第1回(2003年)東山彰良『逃亡作法─TURD ON THE RUN』

連続少女暴行殺害犯・川原昇に娘を殺された飯島好孝ら遺族たちは、“キャンプ”襲撃計画を実行に移し、管理室を占拠した。だが、一瞬の隙を突き逆襲に出た囚人たちは、「アイホッパー」と呼ばれる、“キャンプ”から脱獄しようとすると眼球が飛び出すようプログラムされたチップの解除パスワードをまんまと入手。刑務所からの脱獄を開始した。 (「BOOK」データベースより)