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【感想】まさかのどんでん返し!読んでいた世界が一気に反転する(藤崎翔『お隣さんが殺し屋さん』)

テンポの良い文体や会話、最後のどんでん返しがとても素晴らしい作家の藤崎翔さん。デビュー作では、神様のような先生が実は殺人犯だったのでは?という物語でした。

【感想】神様は極悪人なのか?ゆるいテンポの先にある驚愕のラスト(藤崎翔『神様の裏の顔』)

今回も少し設定が変わっている作品を紹介します。

藤崎翔『お隣さんが殺し屋さん』です。

専門学校入学のために田舎から上京した美菜は、隣人に挨拶することに。お隣さんの雄也はどこか陰のある長身の青年で、美菜は好意を抱く。一方、雄也は美菜にある物を見られ動揺する。それは一発の銃弾だった。雄也はそれを使った「仕事」を思い出す。ある弁護士を闇に葬った、恐るべき出来事を。さらに雄也の今度の仕事場は、美菜が通う専門学校で…。純朴女子学生と危険な殺し屋が交錯する、衝撃的ラストのユーモアミステリ!(「BOOKデータベース」より)

タイトルの通りなのですが、殺し屋が隣にバレないように行動する姿や、仕事シーンが見どころになっている本作。

しかし、300ページを超えたところで、世界は一気に反転します。今まで読んでいたのは一体…。このようになってしまうこと間違いなしです。

殺し屋は身元をバレずに済めるのか?

専門学校に入学するために上京してきた美菜。挨拶に向かったお隣さんは長身の好青年。雄也というその青年に美菜は一目惚れします。

しかし、その挨拶の際に雄也の部屋には“銃弾”が。お隣さんに、自分が殺し屋ということをバレることなく、生活を続けられるのか?

その後、美菜の通い学校でも事件が起こり…。

302ページで物語はひっくり返る

本作は煽り文にもある通り、302ページにどんでん返しが起こります。ある出来事をきっかけに、物語は一気に反転します。今まで文字で追っていた事柄が、全然違う意味でした…。

前作でも同じような展開でしたが、この作品でもとんでもない驚きを用意してくれていました。何となく予想はするものの、表現が上手なので、うまくミスリードされてしまいます。

裏を読んだとしても、なかなか真相までは気付けないと思います。

伊坂幸太郎に似ているかも!

テンポが良い上に、ギャグの要素もあり、展開が早いのが藤崎さんの特徴です。

今回の作品でもスラスラと読める文体になっています。(テンポ良く読めてしまう点も、どんでん返しに気付きにくい理由なのかもしれませんが…)

キャラクターの個性や、会話などが伊坂作品にどこか似ている雰囲気を纏っています。伊坂好きには手に取ってもらいたい一冊です!