児童向け作品として発表されたのに、内容が大人向けの小説を紹介します。
麻耶雄嵩の『神様ゲーム』です。
まずは例のごとく、あらすじの紹介から。
神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。(「BOOK」データベースより)
自称・神様が伝える真実
近所で起こった猫が殺された事件。主人公の小学生、黒沢はクラスメイトたちと猫殺しの犯人捜しを始めます。そんな中、ある同級生が犯人を知っていると言い出します。
「世界のすべてを知っている」と宣う、自称・神様の鈴木太郎。
しかし、彼が教えてくれた名前は聞いたことのない人物でした。特に気にも留めず、黒沢は猫殺しの犯人を探し続ける黒沢。
しかし、友人が殺される事件が発生してしまい…。
児童書向けの問題作
今作は神様シリーズの1作目。子供向けの推理小説として発表されましたが、衝撃的で後味の悪いストーリー展開が話題を呼びました。
作品の前提として、自称神様の鈴木が言うことは絶対だということ。(これが違うとなってしまうとそもそも作品が体をなしていないので)
その上で鈴木は様々なことを言います。
- 黒沢は36歳で死ぬ。裏を返せばそれまでは絶対に死なない。
- 猫殺しの犯人に天誅を下すことができる。
- 殺人事件の犯人に天誅を下すことができる。
これらの設定の上で明かされる真実は、どう考えても子供向けじゃないです。笑
特に衝撃なのがラストシーン。
言ってたことと違くない?というラストに「?マーク」でいっぱいになりました。
様々な読者が、このラストを考察しています。(検索したらたくさん考察がでてくる)
またこのラストにつながる前にもちょっとした事件が起きるのですが、その描写があまりにもひどい…。
絶対児童が読んじゃダメだよ…。という児童書でした。笑
リドルストーリー好きにはピッタリ
後味の悪さは置いといて。この作品は読者に委ねるラストが1つの魅力になっています。
リドルストーリーが好きという人にはピッタリな小説です。ただし、何度も言うようですが、後味も展開も衝撃的すぎます!
ほのぼのしたい人は絶対に読まないでください!!!