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【感想】Vシリーズの10作目!シリーズ最後に待ち受ける大きな謎(森博嗣『赤緑黒白』)

赤緑黒白

森博嗣『赤緑黒白』を紹介します。Vシリーズの最終作にして、次のシリーズへのプロローグにもなっている作品です。

前作のレビューはこちら。

朽ちる散る落ちる【感想】Vシリーズ9作目!密室で見つかった死体は誰?(森博嗣『朽ちる散る落ちる』)

鮮やかな赤に塗装された死体が、深夜マンションの駐車場で発見された。死んでいた男は、赤井。彼の恋人だったという女性が「犯人が誰かは、わかっている。それを証明して欲しい」と保呂草に依頼する。そして発生した第二の事件では、死者は緑色に塗られていた。シリーズ完結編にして、新たなる始動を告げる傑作。(「BOOKデータベース」より)

色を塗られて殺されるという奇妙の連続殺人。犯人はなぜこのようなことをしているのか?

奇怪な連続殺人の謎

保呂草のもとに舞い込んできた依頼。奇妙な死に方をしていた恋人に何があったのかを知りたいというものだった。依頼人の恋人はマンションにて、体を赤く塗装されて死んでいた。そして、彼の名前は赤井。

そして、起こる第二の殺人。今度の死体は緑色に塗られていた。殺された女性の名前は“みどり”だった。その後も、黒と白に彩られた死体が見つかっていく。誰が何の目的このような殺人を行っているのか?

Vシリーズの最終作はこの見立て殺人の謎に挑む物語です。

二重になっているメイントリック

犯人について予想をしていたのですが、途中までは「これで大丈夫?」と思ってしまう内容でした。というのも、思いつくのがその人しかいないんですよね。

このままでは、驚きが全然ないだろうなと思っていましたが、そこはさすが森博嗣さん。予想を上回る展開が最後に待ち構えていました。簡単に言うと、読者に提示されているトリックの真相と、全く別軸からの真相が姿を見せてくれます。

シリーズ最終作にふさわしい、事件の背景やどんでん返しがあり、個人的には結構好きな物語でした。

シリーズを通じた大きな驚きが…

単体の作品としても驚けるし、面白いには面白いのですが、今作は絶対にシリーズの最後に読んでください!

S&Mシリーズに紐づく真実や、Vシリーズの1作目のあることに関して、とんでもないことが明らかになります。あまりネタバレはしたくないので、この辺にしておきますが、かなり衝撃的な情報でした。シリーズをすべて読んでいる人には嬉しい展開ですね。(ネタバレなしで説明すると、指示語が多くなってしまう…)

また、最後の最後にはあの人も登場して、次の物語へのプロローグにもなっています。次作は『四季』シリーズみたいなので、ここも読んでいこうと思います。