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幽霊を怖いと思うのはなぜ?おばけに恐怖を感じる理由を考えてみた

夏にぴったりなのが怪談話。テレビやネットでも取り上げられているのをよく目にする時期がやってきました。

私もこの手の話は大好きで、ほん怖や都市伝説意味がわかると怖い話はたくさん見たり読んだりしてきました。(そして、怖くなってシャワーを浴びる時や寝る前に後悔をしています笑。)

ここで思ったことが1つあります。なぜ私たちは幽霊や怪談話を怖いと感じるのでしょうか?

この理由がわかれば怖いと思う感情がなくなるのではないかと思い、こうした気持ちになる背景を考えてみます。

「怖い」という感情を考えてみる

そもそも、私たちは何に対して「怖い」と感じるのかを考えてみます。調べてみると世の中には様々な恐怖症がありました。一例を下で挙げてみます。

  • 幽霊:目の前に現れたら怖い
  • ライオンや熊:襲ってきたら怖い
  • 高い所:落ちたらと思うと怖い
  • 狭い所:ずっと狭い空間に閉じ込められていて怖い
  • 暗い所:何も見えない状況が怖い

切り口は数あれどこれらにはある共通点がありました。

それは“死”に対しての防衛ということです。

  • 幽霊:目の前に現れたら怖い→あの世に連れていかれたらと思うと怖い
  • ライオンや熊:襲ってきたら怖い→噛まれて死んでしまうのが怖い
  • 高い所:落ちたらと思うと怖い→落ちて死んでしまうのが怖い
  • 狭い所:ずっと狭い空間に閉じ込められていて怖い→ずっとこのままで死んでしまうのが怖い
  • 暗い所:何も見えない状況が怖い→急にどこからか襲われたら怖い

恐怖の根源は死を避けるための本能と考えられます。

皆さんは熊が目の前にいたらどうしますか?

そのまま何もせずにのんびりはしないはずです。死なないために最大限の知恵を働かせることでしょう。この行動をもたらしているのは、「怖い」という感情のはず。

「怖い」は人間が生きていく上では絶対に必要なものなのです。

もちろんすべての「怖い」がここまでド直球ではないと思います。ただ、「怖い」という感情のメカニズムは、“死”に対する防衛に帰結するようにできているはず。ここまでをまとめると、答えは見えてきたように思えます。

それは、幽霊は自分を死にいざなう存在だから怖いということです。

幽霊が怖い対象になる理由

ここまでで「怖い」という感情の根源を考えてみました。生存の危機(死)を察知すると恐怖を覚えるというのが人間の本能でした。

では、なぜ幽霊が死を脅かす対象になるのでしょうか?

幽霊と遭遇した時に「もの珍しいものを見えた!ラッキー!」と思える人は少ないはず。目的がそうでも、実際に目の前に現れたら恐怖を感じるものでしょう。

次はここを考えてみます。幽霊を「怖い」と感じるのには、3つの理由があるのではないかと思っています。

①怖い話の影響

最初の理由が先に挙げた、ほん怖や都市伝説の影響でしょう。私たちが見聞きしたことのあるこの手の話では、人間側が被害を受けるケースがほとんどのはずです。

  • 一歩間違えれば死んでいた
  • 精神が徐々に弱っていってしまった
  • 不幸な出来事に遭遇してしまった

怖い話にずっと触れてきた私たちには、幽霊が自分の生を脅す出来事を持ってくるというイメージが出来上がっているのです。

「怖い」という感情を発生させるため話なので、考えてみれば当たり前ですね。事故物件のアパートに住んだら大金持ちになったなんて話は聞いたことありませんし、怖くありません。ただの良い話です。

どちらが先かはわかりませんが、怖い話の登場人物に幽霊が扱われているため、「幽霊=怖い」という構図になっているのでしょう。

②未知の存在

2つ目の理由が知らないことだからです。

この中で幽霊を見たことがあるという方はどれくらいいらっしゃるでしょうか。何名いるかはわかりませんが、間違いなく言えることは、幽霊に遭遇したことのある人は少数派だということです。

少し本題から逸れますが、不安という感情について考えてみます。これは、「何があるかわからない」「どういうことが起こるかわからない」という未知の事象に遭遇した際に感じるものです。

  • 大事なプレゼンが上手くいくかわからない…。
  • 仕事のプロジェクトが上手くいくかわからない…。
  • プロポーズが上手くいくかわからない…。

こうした不安を感じる原因は、将来どうなるかわからないからです。これらが上手くいった時点から、過去に戻って全く同じことをすると思ってください。必ず成功するとわかっていれば不安にはならないですよね。人は、先行きが見えないことやどうなるかわからないことに不安を感じるのです。

前置きが長くなりましたが、これは幽霊の話にも言えます。

私たちの大半は幽霊に遭遇したことがありません。会った時に何が起こるかわからないのです。これは、先ほど説明した不安が起こるメカニズムと同じ状態ですね。

では、私たちは不安を持つとどういう行動をするでしょうか?

何が起こるのかを想像するのです。説明の通り、何が起こるかわからないのが不安なので、何が起こるかを考えようとします。

例で挙げたような「プレゼンが不安」であれば、「あれだけ頑張って練習、話をまとめたから大丈夫!」という発想になれるかもしれません。

しかし、幽霊ではどうでしょう。先ほど「幽霊=怖い」という刷り込みがあるとお話しました。想像の結果、死の恐怖を持ってしまうのです。

これが未知のものだから、幽霊は怖いという状態です。

③会話が成り立たない

最後の理由は、会話が成り立たないからです。(この流れで言いづらいですが)少し想像してみてください。幽霊があなたときちんと会話できると思いますか?

あなたの家に、幽霊が現れました。そこであなたは「ここは自分の家だから不法侵入だ。いつまでも居座るなら警察に突き出すぞ」と言ったとしましょう。この概念が幽霊に伝わるでしょうか。間違いなく通じません。

コミュニケーションができない。言いたいことが伝わらない。相手が何をしたいのかもわからない。つまり、相手が何をしてくるのかわからないのです。先ほどの2つの理由に加えてこうした意思疎通ができない状況が発生するから怖いのです。

私たちが生きている世界での常識が通用しない。これは、幽霊だけに言えることではありません。世の中には「人間が怖い」というタイプの怖い話もあります。

この手の話はほぼ間違いなく、自分たちの常識が通じない人物が登場しているはずです。(トリハダヒトコワなどはその最たる例ですね)

何をしてくるかわからないという状況に、死の恐怖と不安を感じるのです。

幽霊でなくても、知らない人が突然家に入ってきて奇声を上げられたら怖いですよね?(水曜日のダウンタウンにある「開けたら人がいるシリーズ」も同じですね。)

人間が怖いホラーは大体がこのパターンに当てはまるはず。幽霊の場合は、その存在の時点で道理が通用しないため怖いと思ってしまうのです。

理由がわかれば怖さは和らぐ?

幽霊が怖いと思う理由を書き連ねてきました。当初は「理由がわかれば怖くなくなる!」と思って書き始めた記事でしたが、全然そんなことありません。怖さの根源を知っても、幽霊が怖いという感情はなくなりませんでした。

だって、やっぱり未知の現象でかつ、話が通じない方は怖いですもん笑。

ただ、盲目的に幽霊だから怖いという決めつけはしなくなると思います。「幽霊に遭遇した=死に近いものを感じた」という図式は前提として、そこに至るまでに恐怖を感じるポイントは多々あるとご理解ください。

まあ、こんなこと書いてますが、この記事を書き終えた今は自宅がちょっと怖いですが…笑。幽霊に遭遇しても死にはしないというポジティブマインドを持っていようと思います。