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【おすすめ5選】阿津川辰海のおすすめ小説!新感覚のミステリ作家の作品を紹介

阿津川辰海ーおすすめ

緻密でアクロバティックな論理展開で注目を集めている作家、阿津川辰海さん。探偵が当たり前の世界での、探偵の弾劾裁判を描いた作品、『名探偵は嘘をつかない』でデビューしました。

その後も、様々なジャンルでのミステリーを世に出し続けている、期待の若手作家です。かなりの読書家としても有名で、ミステリーの中でも、幅広いジャンルの作品があります。

そんな阿津川辰海さんの、おすすめ小説を5つ、紹介します!

1.『名探偵は嘘をつかない』

名探偵・阿久津透。数々の事件を解決してきた彼は、証拠を捏造し、自らの犯罪を隠蔽したという罪で、本邦初の探偵弾劾裁判にかけられることになった。兄を見殺しにされた彼の助手、火村つかさは、裁判の請求人六名に名を連ねたが、その中には思わぬ人物も入っていてーー!
新人発掘プロジェクトから現れた鬼才、審査員を唸らせた必読のデビュー作、

本作では、探偵の弾劾裁判が舞台です。探偵がいることが当たり前となっている世界なので、探偵が悪事を働いたら、資格をはく奪されてしまいます。

そんな中で、探偵の阿久津は、証拠を捏造したという罪で、裁判にかけられることになりました。その裁判の中に、神の力を借りてその場にいる人もいるのでした。

先が読めない作品なので、気になってどんどん読めてしまいます。そもそも阿久津は証拠を捏造したのか。したとしたら、何のためにどのようにしたのかなどが絡み合っています。

しかも後半には、ここで紹介した以外の、とんでもない展開も待っていました。ミステリ好きにはおすすめの一冊です。

2.『透明人間は密室に潜む』

透明人間が事件を起こしたら?アイドルオタクが裁判員裁判に直面したら?犯行現場の音を細かく聞いてみたら?ミステリイベント中のクルーズ船で参加者の拉致監禁事件が起こったら?
阿津川辰海の傑作短編集がついに文庫化。波に乗る著者が放つ高密度の本格ミステリ!読めばファン確定。驚嘆必至、必読の一冊!

謎解きに重点を置いたミステリなんですが、さまざまなジャンルの謎が展開されていきます。同じ作風ではなく、本当に色んなジャンルでの謎解きがあります。

たとえば、表題作では、透明人間が突然変異で生まれるようになった世界が舞台です。ただし、彼らは薬とメイクで透明ではないような生活を必須とされていた。

そんな中、透明人間の女性は夫に内緒で、ある人を殺す計画していた…。透明人間の彼女はどのようにして現場から消えたのか?を考える物語です。

透明人間という設定をうまく用いて、論理的なアプローチで事件が解決されます。どの作品でも共通しているのは、提示されていた謎が、仕掛けられていた伏線をもとに鮮やかに解決に導かれていく点です。

4つの濃厚な謎を楽しめるおすすめの一冊です。

3.『午後のチャイムが鳴るまでは』

九十九ヶ丘高校のある日の昼休み、2年の男子ふたりが体育館裏のフェンスに空いた穴から密かに学校を脱け出した。タイムリミットは65分、奴らのミッションは達成なるか(第1話「RUN! ラーメン RUN!」)。他人から見れば馬鹿らしいことに青春を捧げる高校生たちの群像劇と、超絶技巧のトリックが見事に融合。稀代の若き俊英が“学校の昼休み”という小宇宙を圧倒的な熱量で描いた、愛すべき傑作学園ミステリ!

5つの物語が収録されている連作短編集。舞台は九十九ヶ丘高校の昼休み。この時間帯を舞台にした5つの物語が描かれています。

ラーメンを食べるために抜け出した二人の男子高校生。昼休み中の抜け出しは厳禁の中、彼らは誰にもバレずに”完全犯罪”をやりきることができるのか。

このような、ちょっとおバカなだけど青春としてはあるあると思ってしまうような、そんな素敵な世界を描いた一冊になっていました。

それぞれで驚きや納得感のあるオチが用意されているだけではありません。最後の章では、これまでの伏線が見事に回収されるようになっており、二段階で楽しめること間違いなしです!

4.『紅蓮館の殺人』

山中に隠棲した文豪に会うため、高松の合宿をぬけ出した僕と友人の葛城は、落雷による山火事に遭遇。救助を待つうち、館に住むつばさと仲良くなる。だが翌朝、吊り天井で圧死した彼女が発見された。これは事故か、殺人か。葛城は真相を推理しようとするが、住人と他の避難者は脱出を優先するべきだと語り―。タイムリミットは35時間。生存と真実、選ぶべきはどっちだ。(「BOOK」データベースより)

合宿を抜け出した二人の高校生が、山火事に遭遇してしまいます。避難先としてやってきた館では、殺人事件が起こってしまうのでした。火事のタイムリミットが迫る中、犯人の特定もしようとする。

事件制限のあるミステリという、緊迫感のある中で進んでいく物語でした。火事から逃れようとしながらも、犯人を見つけ出すことができるのか?

読み進めていくにつれて、謎や伏線が回収されていく本作。クローズドサークルものの中でも、斬新な設定とロジックを楽しめた一冊でした。

5.『入れ子細工の夜』

古書の街に現れた探偵の秘密、禁断の「犯人当て入試」狂騒曲、虚実が裏返る入れ子細工の2人劇、コロナ禍に覆面レスラー大集合で本人確認不能?……本格ミステリの極限を探る、濃縮された四編。

『透明人間は密室に潜む』と同じく4つの物語が収録されている作品。どれもジャンルが違うという点も共通しており、それぞれで違った楽しみ方ができる一冊です。

推理小説の犯人当てを入試の題材に扱うという、前代未聞の出来事を描いた作品が、私は特に好みでした。受験対策としてミステリを読み漁ったり、考察に力をいれたりなどがリアルでした。さらに最後には面白い展開も待っていて、最初から最後まで飽きませんでした。

自分が面白いと思ったのはどれだろう?と考えながら読み進めていくのも楽しいと思いますよ!