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年末年始にオススメの5つの小説!一気読み必至作と移動時間にぴったりの短編

もうすぐ2019年も終わり。年末年始は普段よりも自由な時間が多いでしょう。この機会に読書を始めようかなと思っている人もいるかもしれません。

ただ、話を聞いていると「どんな本を読むべきか」を悩んでいる人も結構いるようでした。なので、今回は個人的なおすすめ小説を5つ紹介します。

5つのおすすめ小説

長編小説や短編小説、短くてすんなり読める作品から重厚な作品まで幅広く紹介します。

1.辻村深月『家族シアター』

「家族」で起こる、ささやかな大事件。いま一番旬な作家、辻村深月の最新文庫。息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。家族を描く心温まる全7編。(「BOOKデータベース」より)

家族との絆を描いた7つの短編集。兄弟や姉妹、親と子と孫。様々な立場で描かれます。葛藤や感情は人それぞれ。

でも家族だからこそわかり合えたり、お互いを思い合っていたりする。どの物語も心温まるので、家族っていいなと思えます。

帰省などで生家で過ごす時間が長いこの時期にはぴったりの小説です。

【感想】家族の大切さを実感する7つの短編集(辻村深月『家族シアター』)

2.米澤穂信『氷菓』

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。(「BOOK」データベースより)

アニメ化もされている人気作品、古典部シリーズの1作目。日常の謎と呼ばれる、人が死なないミステリが作品です。

本作は、古典部の文集の名前がなぜ氷菓なのか?を解く物語ですが、その間にちょっとした謎が合間に挟まります。

①いつの間にかカギを閉められていた部室の謎。

②学校の歴史をまとめた本が、毎週決まった時間に借りられるのはなぜか?

③教室にあるはずの文集を「ない」と言い張る少年。

全体的にも短い小説なので、数時間で読み切れてしまいます。片道で読めてしまうのでオススメです!

【感想】小説初心者でも楽しめる傑作(米澤穂信『氷菓』)

ちなみにシリーズ作品は他にもありますので、気に入った人は続編もどうぞ!

【古典部シリーズ】米澤穂信『氷菓』の読む順番と全作の感想

3.西澤保彦『七回死んだ男』

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。(「BOOK」データベースより)

ランダムで同じ日を九回繰り返してしまう、特異体質を持った主人公の久太郎。年始の祖父宅で、九回繰り返す日に当たってしまいました。

そこで祖父が殺される事件が発生。容疑者を止めても、今度は別の人が犯人になってしまいます。彼は祖父の死を止められるのか?

ただのミステリではなく、最後の最後にはとんでもないどんでん返しがある作品です。

舞台が年始ということで紹介してみました。笑

【感想】時間ミステリならではの驚き!同じ日を九回繰り返す特異体質(西澤保彦『七回死んだ男』)

4.綾辻行人『another』

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。(「BOOK」データベースより)

本作は、犯人当て小説ではあるものの、シンプルな“殺人犯は誰?”ではありません。ある謎についての元凶を探す物語です。(※多くを語るとネタバレになるので簡潔に。)

主人公の転校先はある特殊な事情を抱えているのですが、それが何なのかはよくわかりません。読み進めるにつれて、主人公と同じように読者も理解できてくる展開になっているのです。

しかし、実はこの最初の段階から伏線は巧妙に仕掛けられていて。最後にはアッと驚く展開に。上下巻作品ですが、楽しいのでスラスラ読めるはず。時間のある年末年始におすすめです。

【感想】謎に次ぐ謎の連続!#アナザーなら死んでたって何?(綾辻行人『Another』)

5.貴志祐介『新世界より』

ここは汚れなき理想郷のはずだった。1000年後の日本。伝説。消える子供たち。
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとは――。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる! (「BOOK」データベースより)

上中下の3冊もあるのでかなり長いです。笑

人間が、呪力という超能力を持つことが当たり前になった世界。そもそも前提知識が多すぎるので、上巻は説明でほぼ終わってしまいます。話は進んでいくのですがよくわかりません…。

しかし、読み進めるにつれて、上巻の意味がわかってきます。徐々に謎が明らかになってきて、世界にのめりこめるようになります。

下巻はドキドキが止まらないですし、ある真実が浮かび上がってきます。ラストの驚きはとんでもなかったです。

1,000ページ超えの物語なので、かなり重厚。でも読んで損はありません。むしろ止まらなくなります。まとまった時間のある年末年始だからこそ読めるかなと思います。笑

【感想】上巻以外はめちゃくちゃ面白いSF小説(貴志祐介『新世界より』)