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【大賞予想&順位結果】2023年本屋大賞のノミネート一覧の感想とランキングを予想してみた

本屋大賞2023

全国の書店員が「今一番売りたい本」を選ぶ・本屋大賞。2023年1月20日に、全10作のノミネート作品が発表されました。大賞の発表は4月12日です。

心にずっしりと響くメッセージの強い作品から、エンタメ要素の強いミステリまで。幅広いジャンルから選ばれています。

小説好きとしては、予想せずにはいられません。というわけで全作読んでみました。2023年2月現在すべて読了しましたが、今回は予想がかなり難しい…!

多少の好みは大目に見ていただきながら、大賞予想をしていきたいと思います。予想の前に全10作品の作品紹介と感想をしていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

2023年本屋大賞の順位が決定!(※2023年4月12日追記)

2023年4月12日に大賞が発表されました!

大賞:凪良ゆう『汝、星のごとく』

2位:安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

3位:一穂ミチ『光のとこにいてね』

4位:呉勝浩『爆弾』

5位:青山美智子『月の立つ林で』

6位:小川哲『君のクイズ』

7位:夕木春央『方舟』

8位:町田そのこ『宙ごはん』

9位:寺地はるな『川のほとりに立つものは』

10位:結城真一郎『#真相をお話しします』

本屋大賞とは何?

最初に、簡単に本屋大賞について説明をします。

本屋大賞とは、書店員が選ぶ賞として、2004年からスタートしました。一般の文学賞とは異なり、作家や文学者が選考に入ることはない。その名の通り、本屋が選ぶ本の大賞です。2023年では、2021年12月1日~2022年11月30日までに出版された書籍が対象となっています。

本屋大賞ではまず、全国の書店員が3冊の本に投票をします。この一次投票の期間は12月1日~1月4日まで。ここで選ばれた上位10作品がノミネート作品として発表されます。

続いて二次投票。二次投票ではノミネート作品をすべて読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票します。

現在は、一次投票で選出されたノミネート作品が10作品公表されている状態です。二次投票の締切が2月28日。この二次投票の集計結果により大賞作品を決定します。

なお、投票の得点換算は1位が3点、2位が2点、3位が1.5点です。そして、4月12日に大賞とランキングが発表される予定です。

ノミネート作品一覧

まずは2023年の本屋大賞ノミネート作品を10冊紹介していきます。

■ノミネート10作品 ()内はノミネート選出回数

寺地はるな『川のほとりに立つ者は』(初)

小川哲『君のクイズ』(初)

町田そのこ『宙ごはん』(3年連続3回目)※2021年で大賞受賞

青山美智子『月の立つ林で』(3年連続3回目)

凪良ゆう『汝、星のごとく』(2年ぶり3回目)※2020年で大賞受賞

夕木春央『方舟』(初)

結城真一郎『#真相をお話しします』(初)

呉勝浩『爆弾』(初)

一穂ミチ『光のとこにいてね』(2年連続2回目)

安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』(初)

実は本屋大賞は他の賞とは違って、作品タイトルのあいうえお順で紹介されます。作家名のあいうえお順が一般的なので、いつも珍しいなと思っています。

大賞予想をしてみた

早速ですが、個人的な予想を発表します。

■大賞予想(◎:本命 〇:対抗 △:穴馬)※完全に個人の予想です

〇:寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

△:小川哲『君のクイズ』

△:町田そのこ『宙ごはん』

〇:青山美智子『月の立つ林で』

〇:凪良ゆう『汝、星のごとく』

◎:夕木春央『方舟』

△:結城真一郎『#真相をお話しします』

△:呉勝浩『爆弾』

◎:一穂ミチ『光のとこにいてね』

△:安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

なぜこのように予想したのかについては、ノミネート作品のあらすじと感想を1作ずつ紹介しながらにしたいと思います。

ノミネート作品のあらすじと感想

寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

主人公の清瀬は、ある日病院から連絡が入ります。恋人が階段から転落して意識が戻らない状態になってしまったというのです。しかも、事故が起こる前に、どうやら喧嘩をしていたらしい。

温厚そうな恋人は何か隠し事をしていたのだろうか。恋人の家で見つけたノートから、過去や事故の顛末が明らかになっていくという物語。

ミステリの雰囲気がありながらも、人の大切さを実感できる一冊。「当たり前」とは何か。自分が見えていることが本当に大切な人のすべてなのか。

謎解きの要素を楽しみながら、周囲の人への感謝を伝えたくなるそんな作品でした。

小川哲『君のクイズ』

生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される!
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

クイズ大会の決勝戦で起きた前代未聞の出来事。優勝者は問題文が一文字も読まれる前に正解をしてしまった。番組はやらせだったのか。それとも…。優勝を逃した決勝進出者の三島は、当日を振り返るとともに、対戦相手の過去を探っていく。

クイズというジャンルを使ったミステリ作品。なぜゼロ文字解答ができたのか。

その真相に辿り着くまでの過程や、伏線が巧妙で心地よさがありました。個人的にはもうひと捻り欲しかったという欲がありますが、クイズの裏側もわかり面白い作品でした。

町田そのこ『宙ごはん』

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。

小さい時から育ての「ママ」と暮らしてきた宙。小学校になってからは「お母さん」である花野と暮らすことになります。そして、花野の後輩の佐伯がご飯を作りに来てくれるという少し変わった生活がスタートします。

しかし、花野には宙をどのように愛したら良いのかがわかっていませんでした。花野の言動に戸惑いを覚える宙。二人の成長と大切な人との絆をごはんとともに楽しめる一冊です。

過去作の『52ヘルツのクジラたち』『星を掬う』と比較すると、ライトではありますが、それでも少し重いテーマを扱っています。ただ、読後に嫌な感じを残さないのはさすが町田そのこさんでした。

青山美智子『月の立つ林で』

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、心震える傑作小説。

元看護師、芸人、整備士、女子高生、アクセサリー作家。それぞれが置かれている立場や環境に悩んでいる。そんな5人は全員あるポッドキャストを聞いていた。それがタケトリ・オキナの『ツキない話』でした。

5つの短編どれもに、元気になれる、前向けるようなストーリー展開がなされていて、明るい気持ちになれます。読み進めれば進めるほどに明日への活力が得られるはず。

また、「ツキない話」は月に関する話をするポッドキャストという設定ですが、普通に面白いです。月に関するトリビアがわかって楽しく読める作品でした。

凪良ゆう『汝、星のごとく』

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

島で育った2人の男女。周囲の大人たちのせいで重荷を背負って生きていかないといけない2人の成長物語です。成長物語といっても30代になってからの話も描かれますが。

内容としては決して明るいものではありません。すれ違いや孤独を感じるシーン、中には人生に絶望してしまう目を覆いたくなるようなことも起こり、読み進めるのがツラくもありました。

しかし、ハッピーエンドではないはずなのに、イヤな読後感が残るわけではありません。むしろ心地よささえ感じられる締まり方ですらありました。

なのに、心にちょっとした引っ掛かりが残る。嫌ではないけど心が詰まる。そんな独特な気持ちにさせられました。

夕木春央『方舟』

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

地下施設に閉じ込められた9人の男女。脱出するには1人が生贄にならなければならないという極限状態に追い込まれてしまいます。そんな中で、なぜか殺人事件が起こる。

犯人とわかれば自分が生贄にさせられることは確定する。しかも、こんな極限状態でなぜ人を殺そうなど思ったのか。特殊設定ミステリの中でもかなり変わり種の一冊だと思います。

かなり話題になっていますが、最後の方までは「まあこんなものか」という感想でした。しかし、本当の最後。一気にやられました。読後は放心状態からしばらく抜けませんでした。

結城真一郎『#真相をお話しします』

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

5つの短編集からなるミステリ集。YouTubeやマッチングアプリなど現代をテーマにしており、どこか警鐘めいた感じすら受けました。

どの作品にも最後にはどんでん返しが用意されているので、しっかりと騙される準備をしてから読み始めましょう。私のお気に入りは「惨者面談」「♯拡散希望」の2つ。思ってもみなかった角度からの展開が待っており、かなりの衝撃度でした。

呉勝浩『爆弾』

些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。警察は爆発を止めることができるのか。爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

警察と犯人による心理戦。息が詰まるほどの緊迫感が取調室で行われます。傷害事件を起こしたスズキタゴサクが爆破事件を仕掛ける理由とは一体なんなのか。

本格ミステリとはひと味違う、警察小説と呼ばれるジャンルのミステリでしょうか。警察と犯人の頭脳を使ったバトルは読みごたえがありました。

そしてオチへ。二転三転の先にある真実。伏線がとにかくキレイなのでラストの展開は圧巻でした。ミステリ2冠は伊達ではありません。

一穂ミチ『光のとこにいてね』

古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。

幼い頃に出会った二人の少女は時を経て再会や別れを繰り返していく。不思議な関係の二人を中心に心の機微をキレイに表現しています。

大人になってから再会した二人が最後に選んだ決断とは一体どうなるか。とにかく、心情描写が美しくて、比喩表現などがわかりやすく素敵に書かれています。また、二人の関係性が素敵と表現するだけでは収まらない。不思議な魅力がありました。

まったく話のあらすじや内容は違いますが『白夜行』に似た感じを受けました。

安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……

小学生時代のトラウマのせいでチェロを離れていた橘。会社の都合に巻き込まれた彼は、スパイとして音楽教室へ潜り込むことになります。

純粋に音楽を楽しみたい気持ちが芽生えてくる橘。しかし、彼はあくまでもスパイ。こうした葛藤ともに描かれる人間関係がとても秀逸でした。先生や生徒たちとの交流を経て心が揺れ動いていき機微が最後まで美しく描かれています。

人との繋がりや絆を大事にしようと思える。自分が本当に好きなことは何かを思い起こさせる。読後には少し明るい気分になれる物語でした。

本屋大賞の順位予想と好みのランキング

最後に独断で決めた2023年の本屋大賞ランキング予想と、個人の好みランキングを紹介します!

まずは2023年の本屋大賞の順位予想です。

■本屋大賞のランキング予想

1位:夕木春央『方舟』

2位:一穂ミチ『光のとこにいてね』

3位:寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

4位:青山美智子『月の立つ林で』

5位:凪良ゆう『汝、星のごとく』

6位:小川哲『君のクイズ』

7位:安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

8位:町田そのこ『宙ごはん』

9位:呉勝浩『爆弾』

10位:結城真一郎『#真相をお話しします』

ミステリは本屋大賞を獲れないと言われています。ミステリ作品の最後の受賞は2011年の東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』まで遡ります。

ただ、今年に関しては『方舟』が受賞するのではないかと予想しています。最近は感動系や心に刺さるものが多いので、ここら辺で一度違ったテイストの作品が一番を獲りそうな気がしています。(そろそろミステリを…という希望も込めていますが)

最後に、私個人のランキングを紹介して終わります。

■個人的なランキング

1位:夕木春央『方舟』

2位:凪良ゆう『汝、星のごとく』

3位:呉勝浩『爆弾』

4位:青山美智子『月の立つ林で』

5位:町田そのこ『宙ごはん』

6位:結城真一郎『#真相をお話しします』

7位:安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

8位:寺地はるな『川のほとりに立つ者は』

9位:一穂ミチ『光のとこにいてね』

10位:小川哲『君のクイズ』

やっぱり『方舟』はインパクトが強すぎました。大好きですね。『汝、星のごとく』もかなり心をえぐられたので印象に残っています。こちらも好きな一冊でした。

発表は4月12日。まだ時間はあるので、皆さんも読んで楽しく予想してみてください。気になった本があれば嬉しいです!