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【感想】S&Mシリーズ6作目!マジックショーで起きた密室殺人(森博嗣『幻惑の死と使途』)

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森博嗣『幻惑の死と使途』を紹介します。犀川創平と西之園萌絵の2人が事件に挑む、S&Mシリーズの6作目です。

前作のレビューはこちら。

who-inside【感想】S&Mシリーズ5作目!遊び心満載のタイトルと大胆なトリック(森博嗣『封印再度』)

「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。

今回はマジックを題材にしたミステリ。ショーの途中に起こった殺人事件の真相とは一体?

ショーで起こった殺人事件

本作では大きく2つの謎があります。1つ目がショーの最中に起こった殺人事件です。

マジシャンの有里匠幻が、脱出マジックで殺害されてしまいます。彼は脱出するための箱に入り、次に姿を現した時にはナイフで刺されて死んでいた。衆人環視の状況で、犯人はどのようにして有里匠幻を殺害したのか。

これまでのような物理的なトリックではなく、今回は心理的な密室でした。どのようにして、人の目をかいくぐって殺人を犯したのか。

霊柩車から消えた遺体

2つ目の謎。それは有里匠幻の遺体が葬儀の途中に消えてしまったことです。霊柩車に入れられたはずの遺体が気づいたらいなくなっていた。

「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」

この言葉を残して、確かに有里匠幻は霊柩車から抜け出してしまったのです。彼の遺体をどのように消したのか?それとも、有里匠幻は死んでいなかったのか?

2つの謎、それぞれトリックが素晴らしかった。実際に何が起きていたのかはもちろんなんですが、読者に向けてのちょっとした仕掛けも施されていた。電脳山荘殺人事件のような感じで、核心ではないものの、読者に向けてのトリックがあり良かったですね…。

奇数の章しかない小説

本作には奇数の章しかありません。次回作となる『夏のレプリカ』と同時期に描かれた物語なので、偶数章は『夏のレプリカ』に書かれています。この遊び心も素晴らしいですよね…。

もちろん、『幻惑の死と使途』は一冊で話が完結しますので、そこはご安心ください。むしろ、同時並行で読むとわけがわからなくなると思います笑。

ただ、『夏のレプリカ』で本作に関するあるネタが明らかになります。これは驚きでした…。犯人に関するネタバレなので、先に『幻惑の死と使途』を読んでくださいね。

次作のレビューはこちらです。

夏のレプリカ【感想】S&Mシリーズ7作目!誘拐事件と兄の失踪の謎(森博嗣『夏のレプリカ』)