たかひでの本棚
2018年のミステリ賞を総なめにした作品を紹介します。
今村昌弘『屍人荘の殺人』です。
神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究部の夏合宿に加わるため、同じ大学の探偵少女、剣崎比留子と共にペンション紫湛荘を訪ねた。
合宿一日目の夜、映研のメンバーたちと肝試しに出かけるが、想像しえなかった事態に遭遇し紫湛荘に立て籠もりを余儀なくされる。
緊張と混乱の一夜が明け―。部員の一人が密室で惨殺死体となって発見される。
しかしそれは連続殺人の幕開けに過ぎなかった…!!
究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?!
奇想と本格ミステリが見事に融合する選考委員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!（「BOOK」データベースより）
2019年には映画化も予定がされており、話題性や注目度の高い1冊です。
何を語ってもネタバレになると言われている本作。
「そんなことないだろ！笑」と思って読んだものの、確かにその通りでした…。
というわけで、なるべく多くを語らないように紹介していきます。
設定は完全に本格ミステリ
神紅大学ミステリ愛好会の葉村と会長の明智。
ひょんなことから映画研究会の夏合宿に参加することになる。
2日目の朝、部員の1人が惨殺死体で発見される。
犯人は誰なのか？
どのようなトリックが用いられたのか？
フーダニット、ハウダニットの本格ミステリです。
ただし、1点とんでもないことが起こっていることを除けばですが…。
新・新本格ミステリの作品
綾辻行人が見出した新境地、新本格ミステリ。
『十角館の殺人』ではとんでもないトリックが用意されていました。
【感想】たった1行で世界がひっくり返る（綾辻行人『十角館の殺人』）
本作もちゃんとしたミステリなので、犯人の指摘は論理的に進んでいきます。
ただ『十角館の殺人』と同じイメージで読むとちょっと肩透かしを食らう可能性があります。
新本格では出尽くした設定の枠を超えた、新・新本格という表現が正しいのではないかと思っています。
ちなみに本作を気に入った人は米澤穂信『折れた竜骨』も気に入るはずです！！
【感想】驚きの連続！SFミステリの最高峰（米澤穂信『折れた竜骨』）
2019年には映画化も予定されている本作。
衝撃的な展開はぜひ小説でも読んでみてほしいです。
全然語れない作品なので、読んでこの意味を理解してほしいなと思います！
