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【感想】タイトルに隠された意味がすごい!理系ミステリの一作目(森博嗣『すべてがFになる』)

森博嗣『すべてがFになる』を紹介します。

どんでん返しがすごい。極上のミステリ。名作。理系ミステリという珍しいジャンル。こうした触れ込みが多く、ずっと興味を持ってはいたものの、長いという理由でこれまで避けてきてました笑。

しかし、読み終えた直後は「何ともったいないことをしていたのだろう…」と感じました。タイトルの意味がわかった瞬間は鳥肌ものでしたね…。

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。(「BOOKデータベース」より)

孤島で起きた密室殺人

本作はN大の助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵のペアが殺人事件に挑む、S&Mシリーズの一作目。森博嗣さんのデビュー作です。

舞台は外界から隔離された孤島。出入口が一つしかなく、窓なども一切ない研究所で起きる密室殺人がテーマになっています。

その研究所には「人類で最も神に近い」と言われる天才プログラマー・真賀田四季がいた。彼女は14歳の時に両親を殺害するが、心神喪失を理由に無罪となる。

そんな彼女が密室状態の部屋で何者かに殺害された。しかも、両手両足が切断された状態で…。そして、研究所の所長も何者かに殺害されてしまうのだった…。

誰が何のために犯行に至ったのか?

そして、密室トリックの真相とは?

タイトルの意味がすごい

個人的に本作を早めに読むべきだったなと思っている理由が2つあります。1つはトリックが何となく想像がついてしまったことです。

本作は発表されたのが1990年代なので、今から数十年以上前。たくさんの作品に触れているため、何となく予想ができてしまって残念だったというのが理由の1つです。トリックが上手なので、なおさら早めに読んで驚きたかったなと感じました。

2つ目は、タイトルの意味がすごいということ。

「何で理系ミステリと呼ばれているのか?」「何がすごいと騒がれているのか?」「どんなどんでん返しがすごいのか?」

読んでみるまで全くわかりませんでしたが、タイトルの意味がわかった瞬間にこれらの所以がわかりました。たったこれだけの作品名に色々な意味が込められていた。

わかった瞬間に思わず「すげー!」となりました(語彙力)理系ミステリの意味を知りたい方は今すぐ読みましょう。

シリーズとしても魅力もある!

ここまでは作品の紹介をしてきましたが、シリーズとしても楽しめそうだなと思った話をします。というか、何となく金田一に似ているなと思ったのです。

  • 犯人当てをしようと思えばできる
  • 推理のヒントは提示されている
  • 奇想天外なトリックではない

推理漫画が好きな人は楽しめるのではないかなと思います。動機からのアプローチができないのはありますが、そこは置いておきましょう笑。

また、犀川と西之園のコンビも魅力的で、掛け合いが読んでいて微笑ましかったですね。二人の今後も見てみたいなと思えるような世界感なので、続編も読んでみたくなりました。また、本作が先の気になる終わらせ方なので、より続きを読みたい欲は高まりましたね。

ミステリ好きで読んでいないという人はかなり勿体ないので、すぐにでも読んでほしいです。私と同じように長いから先延ばしになってるという愚かなことはしないでください!笑

次作のレビューはこちら。

【感想】S&Mシリーズ2作目!実験室で起こる殺人の真相とは?(森博嗣『冷たい密室と博士たち』)