2019年も残り3ヶ月。新社会人に新年度人は既に半年が経過しました。新しい生活にも慣れてきた人も多いでしょう。
今回は、私が社会人1年目に感じたちょっとした悩みについて意見を述べます。
社会人は会社の近くに住むべきなのか?です。
もしかしたら、既にこのような悩みを持っている人もいるかもしれません。
「時間という大切な資産を得るために、家は会社に近い方が良い」
「通勤時間によるストレスは大きいから、電車には乗らない方が良い」
世の中には上記のような、会社の近くに住むことに肯定的な意見が多いように感じます。私もこの意見には賛成です。
ただし、万人に当てはまるとは思っていません。人によって価値観やモノの捉え方は異なります。
フレームワークに当てはめて考えるよりも、自分はどっちの方が良いのか?という判断ができることが大切です。
今回はこの問いを考える上での一助となる考え方を紹介します。
売上が上がって、利益が下がるには注意
本題に入る前に、例として、企業の業績に関するお話をします。
皆さんは売上や原価、利益という言葉を聞いたことはありませんでしょうか?
売上とは、企業が商品を売ったことで得られる対価(金額)です。
1個100円のクッキーを売ったら、売上は100円となります。原価は、商品を手にするまでにかかった費用を指します。
1個のクッキーを手に入れるのに30円かかるのであれば、原価は30円です。
また、売上から原価を差し引いた額が利益(※正式には売上総利益)と呼ばれています。
上記の例で言うと、クッキーを売った際の利益は70円(100円-30円)です。
なぜこのような話をしたかというと、家賃補助には注意が必要だからです。
「せっかく家賃補助があるんだから、家の近くに住んだ方が良いよ!」
こうしたアドバイスもあることでしょう。正しい意見です。ただし、家賃補助の支給額と家賃がいくらなのかは意識しておいてください。
なぜ意識する必要があるのか? 売上が上がったが利益が減ったという状態になりかねないからです。
わかりやすく、先ほどの例で説明をします。
今回の場合、売上が給料、原価が家賃です。
実家暮らしをしている場合、家賃(原価)はかかりません。この時、給料(売上)が20万円だとしたら、利益は20万円(20万円ー0円)です。
では会社の近くに住んだケースを想定しましょう。
家賃補助で3万円が支給されたとすると、給料(売上)は23万円です。
ここだけ見ると、売上は上がっているのです。しかし、家賃(原価)が8万円だった場合。利益で見ると15万円(23万円ー8万円)。売上は3万円増えたのに、利益は減っているのです。
ここまでは至極当たり前のことしか書いていません。笑
ただ、一人暮らしするべきか否かは、この減った利益をどう見るかが大切です。
減った利益に見合う価値を得られるのか?
今回のテーマは社会人は会社の近くに住むべきなのか?でした。
上で説明した通り、家賃補助が出たとしても、利益で見ると減っているケースがほとんど。家賃補助が出ないのであれば、より利益は少なくなってしまうでしょう。
そこまでして、1人暮らしをする意味とは何か?
どちらにも共通しているのは、会社の近くに住むことで時間を買っていること。その根源は生活の質の向上と自己投資でしょう。
生活の質の向上
まずは生活の質について見てみましょう。先ほどの例で、利益が5万円減っていると説明しました。この5万円分が投資金額です。
会社の近くに住めば、睡眠時間は増えるでしょう。そして、通勤時間も減るため満員電車でのストレスも少なくなります。また、自分の好きなことに費やせる時間は増えます。
睡眠時間・通勤時間・自分の時間などの、会社の近くに住むことで得られる効用が、家賃などの投資金額よりも大きいのであれば一人暮らしをするべきでしょう。
これはあくまでも自分の価値観の問題です。先輩のアドバイスによる正解はないでしょう。
自己投資
もう1つの考え方は、自分の将来への投資という点です。メガベンチャーで有名なサイバーエージェントを例に考えてみましょう。
サイバーエージェントは現在AbemaTVに巨額の資本を投下しています。2018年9月期のAbemaTV単体での売上は63億円ですが、営業損失は208億円。赤字です。
約270億円をAbemaTVに投資しています。なぜこのようなことをしているのか?
AbemaTVが将来的に、投下した資本以上のリターンをもたらすと考えているからでしょう。
そのため、現在発生している短期的に赤字は投資として、長期的な利益を得ようと思っているのです。
私は、これと同じことが個人でも言えると思います。
先の例を被りますが、会社の近くに住めば間違いなく自己投資の時間を増やせます。家賃は、将来自分が生み出す価値(給料)を増やすための短期的な投資とも考えられるでしょう。
まとめ
会社の近くに住むかどうか、どちらにせよ出費に見合う価値があるのか?考えた方が良いです。一人暮らしを経験したいも立派な理由だと思います。
ものを買う時と同じように、ものの価格が出すお金と見合っているのかを考えれば良いだけです。
今回は、時間の価値を例に紹介しました。今どうしようか悩んでいる人は、減る利益と得られる対価を天秤にかけることをオススメします。
その時に感じたことが答えになっているはずです。
尚、今回はわかりやすく家賃と説明しましたが、実際は、一人暮らしした際にかかるすべての出費と天秤にかけてくださいね。