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【感想】謎に次ぐ謎の連続!#アナザーなら死んでたって何?(綾辻行人『Another』)

どんでん返しのオススメ作品。以前は短編集を紹介しました。
【感想】どんでん返し好きなら読んでおきたい一冊(米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』)

今回は長編作品を紹介します。

綾辻行人『Another』です。




まずは例のごとく簡単なあらすじを。

夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。

同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。

そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?

いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。

名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。(「BOOK」データベースより)

設定ありきの本格ミステリ

転校生の榊原は夜見山北中学に違和感を覚えます。

確かに存在しているはずのクラスメイト、ミサキ・メイが誰からも認識をされていないのです。

謎を解明しようにも、誰も彼女の存在を知らないのでどうしようもありません。

そんな中、1人の生徒が事故死したのを皮切りに、クラスメイトやその親族が次々に謎の死を遂げていきます。

一体何が起こっているのか?

実は夜見山北中学の3年3組にはある呪いがあったのでした…。

中身はシンプルなんだけど…

Anotherは、犯人当て小説ではあるものの、シンプルな“殺人犯は誰?”というものではありません。

ある謎について、その元凶は何か?を探す物語です。(※多くを語るとネタバレになるので簡潔に。)

1つの謎が明らかになれば、別の謎が提示され、最後にはすべての謎(伏線)が一本につながります。

上下巻の作品ですが、先が気になって仕方ないです。

ミステリ好きの方であれば、あっという間に読み終えるでしょう。(僕は2日間で読み終わりました。笑)

壮大などんでん返しを味わいたい人にはオススメの作品です。

実はネットでも大人気の作品

ここまでは作品についての簡単な紹介でした。

実は『Another』は2012年にアニメ化をしています。

アニメ化直後から、ネットの一部界隈で大きな盛り上がりを見せていました。

下は原作者のツイートです。

「#アナザーなら死んでた」このワードが大きな注目を集めたのでした。

Twitter、2ちゃんで大盛り上がり

「#アナザーなら死んでた」とはどういう意味なのか?

作品紹介の中で、クラスメイトやその親族が次々に謎の死を遂げると説明をしました。

その死の詳細をいくつか抜粋してみます。(※アニメオリジナルも一部含む)

・エレベーターのワイヤーが切れて落下
・引っ越しの途中に落石のせいで車が崖から落ちる
・クレーン車が家に突っ込んでき

作中では、「そんなこと起こる?」と言わんばかりの事故が頻発するのです。

そのあり得ないシチュエーションがウケて、ネット上で「#アナザーなら死んでた」が盛り上がったのでした。

そのため、「Another=ネタアニメ」と思う人も一部いるようです。笑

しかし、めちゃめちゃ面白い作品です!

『Another』は小さな謎を解決するにつれて、大きな謎の正体にも近づくという物語です。

ましてや、もともとは大きな謎の正体すら不明です。

伏線は様々なところで張られていて、ラストのどんでん返しは衝撃でした。

そんな所にも伏線があったのか!と感服しました。

ネタ的な楽しみ方も、本格ミステリとしての楽しみ方もできるので、二度おいしいはずです。笑

読んだ人には、下の画像の意味もおわかりいただけることでしょう。