森博嗣『魔剣天翔』を紹介します。Vシリーズの5作目。今回は飛行機の中で起きた密室殺人です。
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【感想】Vシリーズ4作目!トリプルミーニングのミステリ(森博嗣『夢・出逢い・魔性』)アクロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮ぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに触き明かす。(「BOOKデータベース」より)
アクロバット飛行の最中に起きた事故。そして、その最中に起きていた不可解な殺人の真相とは?
機内で起こった謎の殺人
本作の大きなテーマは、飛行機で起きた密室殺人です。アクロバットショーの途中、事故が起き、二機の飛行機が墜落してしまいます。乗っていた人は一人を除いて命に別状はありませんでした。
しかし、パイロットが1名亡くなってしまいます。それも、どう見ても他殺という状況下で。さらに、死体はどう考えてもおかしな角度からの銃撃を受けて殺されていました。
犯人は機内という環境下で、なぜこのような凶行に及んだのか。そして、事件はこれで終わりではなく…。
トリックと謎解きの流れがキレイ
ネタバレのないように、この作品のおすすめを紹介すると、トリックから謎解きまでの流れがキレイという点です。
連続して起きた二つの殺人事件。犯人の動機やそのトリックとは一体何なのか?
あることがわかった瞬間に一本の線が引っ張られるように、両方の謎が解けるようになっている。この構成がとても上手でした。トリックわからなかったのですが、読んでいて「そういうことか」の納得感があります。
メイントリック以外の楽しみも
前作でもそうでしたが、今回もトリック以外の箇所に楽しみがあります。本筋とは少し逸れる部分ではありますが、ちょっとした謎解きができる&驚きがありました。
また、本作から新しいキャラクターも登場しています。誰なのかはここでは伏せますが、良い味を出してくれる人がシリーズに増えたなという印象です。(次作以降にも頻繁に出てきますよ!)
最初こそ、ハマるか不安だったVシリーズですが、徐々に面白さがわかってきました。半分まで読み切ったので、残りも楽しんでいこうと思います!
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