最後の一行がすごい。
こうした触れ込みがあると、つい惹かれてしまうミステリ好きは少なくないでしょう。最後の一行には何が書かれているのか。気になって仕方ないですよね。しかし、最後の一行まで引っ張ってくれる作品を探すのはなかなか難しいです…。
そこで、この記事では、最後の一行に衝撃的なことが書かれている作品を紹介します!
最後の一行に限らないどんでん返しがすごいミステリー小説はこちらの記事で紹介しています。
【2024年版】おすすめのどんでん返し小説50選!衝撃的なミステリー小説を紹介Contents
1.『超短編! 大どんでん返し』
アイドルの握手会に参加したファン、テレビ番組でパンダと対決することになった肉体派タレント、完璧な密室を作り上げた推理小説作家――人々を待つ運命とは? 2000字、原稿用紙5枚分の“超”短編小説で、“大どんでん返し”に挑む。小説誌「STORY BOX」の人気企画をオリジナル文庫化。ミステリー、ホラーから歴史小説まで、多彩な30編!
有名作家30名によるアンソロジー。30編のどんでん返しショートショートが収録されている短編集です。ショートショートなので、当たり前ですが、最後の一行で世界を反転させるものが多かったです。
最後の一行として、一番のおすすめは乾くるみさんの「なんて素敵な握手会」です。予想外すぎるオチが最後に待ち構えている。
見事に世界をひっくり返されました。そして、読み返してキレイに騙されていたことにも気づかされます。この他の作品でも、最後の一行で衝撃を用意している短編が多いのでおすすめです!
2.米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。(「BOOK」データベースより)
最後の一行でどんでん返しを用意している5つのお話が収録された一冊です。5回分、最後の一行での衝撃を味わうことができます。それもかなりの強めの衝撃です。
最初の「身内に不幸がありまして」がお好きなら、すべての作品を楽しめるはずです。あまりのオチのキレイさに思わず笑ってしまいました。(内容はコメディではありません)
個人的に好きなのは2つ目の「北の館の罪人」と4つ目の「玉野五十鈴の誉れ」の2作品です。どちらも、最後の一行を読んだ瞬間には鳥肌が立ってしまいました。
3.荻原浩『噂』
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。(「BOOK」データベースより)
最後の一行で衝撃がある作品としてはかなり有名かもしれません。しかし、こんなに触れ込みがあるにも関わらず、予想がつかないオチが待っています。
レインマンという都市伝説、噂の通りに殺人事件が起こってしまうという物語。一見すると、事件を解決しようとする警察の物語で、犯人は誰か?という話なのですが…。ここからは読んでから確認してください。
きっと、最後の一行を読んだ瞬間には「は?」と思ってしまうことでしょう。
4.若竹七海『クールキャンデー』
「兄貴は無実だ。あたしが証明してやる!」誕生日と夏休みの初日を明日に控え、胸弾ませていた中学生の渚。だが、愉しみは儚く消えた。ストーカーに襲われ重態だった兄嫁が他界し、さらに、同時刻にそのストーカーも変死したのだ。しかも、警察は動機充分の兄良輔を殺人犯として疑っている!はたして兄のアリバイは?渚は人生最悪のシーズンを乗り切れるか。(「BOOK」データベースより)
ライトな文体と、兄想いのかわいい妹が奮闘する物語で、素敵な兄妹愛を感じていました。最後の最後まではですが…。最後にとんでもない形でやられてしまいました。
200ページに満たない短い物語なのですが、読みごたえと読み終えた時の衝撃はかなりのものでした。「こんなの予想できるわけがない!」というオチが待っています。
想像以上に世界が反転しますので、気を付けながら、楽しく読み進めてください。
5.乾くるみ『イニシエーション・ラブ』
僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説―と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。(「BOOK」データベースより)
本作については、最後から二行目での衝撃となります。ただ、ほぼ最後の一行なのでこちらに入れさせてもらいました。有名なので、既読の人も多いかもしれません。未読の人はとても羨ましいです。
一読したら、ただのラブストーリーにしか思えない。しかし、謳い文句の通り、最後から二行目で一気に世界が変わる。読んでいた世界、見えていた世界がまったく別物に変貌します。
衝撃的なラストに目がない人は読まない理由がないです。
6.乾くるみ『セカンド・ラブ』
1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは…。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」。(「BOOK」データベースより)
『イニシエーション・ラブ』をすでに読んでいる人でも、この作品を読み終わっているという人は少ないと思います。まだ読めていない人は、『セカンド・ラブ』も読んで欲しいです!
作品自体は繋がっておらず、独立した物語となっています。内容としては、二人の女性の間で恋心が揺れ動いてしまう男性の話です。
もちろん、そんなラブストーリーだけに、話に終始しません。本作も、最後にとんでもないことがわかります。
『イニシエーション・ラブ』の衝撃が凄かったという人はぜひ手に取って欲しいです。
7.麻耶雄嵩『神様ゲーム』
神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。(「BOOK」データベースより)
自称・神様の鈴木太郎。彼は、全知全能の存在なので、何でもわかる。という特殊な状況で進んでいく物語。
町で起こった猫殺しの犯人を特定したり、その後に起きた殺人事件を予言したり、通常のミステリとはひと味違った設定です。
そして最後。意味のわからないラストともに物語は終了します。この衝撃は、先ほどまでのものとは違ったテイストかもしれません。モヤモヤを抱えながら、意味を考察したくなるラスト。興味を持ったら体験してみてください。
8.麻耶雄嵩『貴族探偵』
信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生!傑作5編を収録。(「BOOK」データベースより)
5つの短編が収録されているミステリなのですが、本作については「こうもり」の最後の一行が衝撃的過ぎるため、入れました。
ネタバレになってしまうので、詳細を書くのが難しいのですが、読み終えた時はまったく意味のわからないオチでした。しかし、読み返してみてると、最後の一行が持っていた意味がわかります。
そして、この作品の仕掛けのヤバさに気付くことになります。このオチとトリックを見抜くことは間違いなく不可能です。
意味を理解できた後の余韻が凄まじく良い一冊。まだ読めてない人は今すぐに読んでください!
9.道尾秀介『雷神』
あの日、雷が落ちなければ、罪を犯すことはなかった――。埼玉で小料理屋を営む藤原幸人を襲った脅迫電話。電話の主が店に現れた翌日、娘の夕見から遠出の提案を受ける。新潟県羽田上村――幸人と姉・亜沙実の故郷であり、痛ましい記憶を封じ込めた地だった。母の急死と村の有力者の毒殺事件。人らが村を訪れると、凄惨な過去が目を醒ます。どんでん返しの連続の先に衝撃の一行が待つミステリ。
小料理店を営んでいる男性は、忘れたい記憶を持っていた。それは、母の不審死と翌年に起きた村の有力者の毒殺事件。そして、15年前に起きたある事故。
そんなある日、男性は謎の脅迫電話を受けることになる。それは15年前の事故に関連するもののようだった。過去に起きた出来事を探るにつれて、男性は知らなかった真実に辿り着く。
過去の出来事がすべて交錯する時に、雷に打たれたかのような衝撃が待っています。どんでん返しはもちろんのこと、最後の一行、二行がとにかく強烈です。