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【伊坂幸太郎】殺し屋シリーズの読む順番は?『グラスホッパ―』から始まる4作品を解説

殺し屋シリーズー順番

伊坂幸太郎さんの人気シリーズ「殺し屋シリーズ」。

現在刊行されている4作品の読むべき順番を紹介します。基本的には刊行順に読むべきなので、その順番と作品の感想をまとめました。

殺し屋シリーズとは?

独特なキャラクターと軽快なテンポから織り成される作品が特徴的な伊坂幸太郎さん。

そんな伊坂作品の中でも人気が高いのが「殺し屋シリーズ」と呼ばれている作品です。殺し屋と聞くと物騒に聞こえるかもしれません。

たしかに人がたくさん死んでしまう作品なので、物騒ではありますが、なぜか深刻ではなくライトに読めてしまう不思議な作品です。

今回はそんな「殺し屋シリーズ」の読む順番を紹介していきます。

シリーズを読む順番を紹介

殺し屋シリーズは、特に順番を気にせずに読むことができるシリーズです。ただ、気になるという方は、刊行された順番で読むのが良いです。

そもそも殺し屋シリーズは、それぞれが独立した物語なので、あまり順番を気にする必要はありません。どの作品から手にとっても楽しめるようになっています。

ただ、前の作品のキャラクターや事件について、触れていることが多々あるので、読めるなら、順番に読むのが良いと思います。また唯一、順番を指定したいのが『777』です。『777』は『マリアビートル』を読んでからの方が良いです。

というわけで、刊行順に作品を紹介していきます!

1作目:『グラスホッパ―』

復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。
どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。
それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。
疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!

最初に読むべき作品は『グラスホッパー』です。

殺し屋シリーズの一作目となっており、殺し屋たちのアクションを描いたハードボイルドな物語でした。

妻を事故で亡くした鈴木は、復讐のために裏社会の組織に入りますが、仇が目の前で車に轢かれます。それは殺し屋の仕業だったようで…。というお話です。

対象を自殺させる鯨、ナイフ使いの蝉という二人の殺し屋が出てくる物語で、アクションあり、人間心理について考えさせられる描写ありのお話でした。

殺し屋のバトルと聞くと血生臭さを感じるかもしれませんが、かなり軽めの作品なのでグロい作品が苦手な人でも気にせず読めるはずです。

2作目:『マリアビートル』

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
『グラスホッパー』『AX アックス』に連なる、殺し屋たちの狂想曲。

2作品目は『マリアビートル』です。この話は新幹線の中での出来事を描いた物語です。

とにかく運が悪い殺し屋の七尾、トーマスと小説が好きのコンビ「檸檬」と「蜜柑」、元殺し屋の木村、狡猾な中学生の王子。

新幹線に乗り合わせた彼らが、それぞれの思惑をもとに行動を起こしていくという物語です。500ページを超える長めの作品なんですが、会話も多くかつ面白いので、どんどん読めてしまうはず。

ラストには新幹線のような疾走感もあり、読み応えは申し分ないです。個人的には『マリアビートル』がシリーズでは一番好きです。

3作目:『AX』

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。
兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。
引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。

3作品目は『AX』です。今作は短篇集となっています。主人公は兜という殺し屋で、彼は恐妻家でもあり父でもありました。

兜は、凄腕の殺し屋のはずなのに、夜遅くに物音を立てることすら気をつけるほどに、妻が恐いというギャップがあります。そんな兜が受けた、殺しの依頼をベースに話が進展していきます。

それぞれ独立した短編ではあるのですが、連作形式になっています。最後には小説全体を通じてオチがあるようにもなっているので、伏線などもふくめて楽しめる一冊です。

4作目:『777(トリプルセブン)』

やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだった――。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる……。

4作品目は『777(トリプルセブン)』です。本作では『マリアビートル』に登場した七尾が再び出てきます。

七尾は「ホテルに泊まっているある男性にプレゼントを届ける」という簡単な仕事を請け負ったはずでした。しかし、そこからある犯罪組織の抗争に巻き込まれてしまうというのが簡単なあらすじです。

『マリアビートル』と似ていて、本作はホテルという密室で作品が展開されていきます。

七尾の他に、コーラとソーダという二人組の殺し屋、サイコパスな六人の殺し屋たちを中心に、物語は展開し、アクションも派手にあります。

伏線回収もあるのでミステリが好きな人からも人気の作品です。

まとめ(殺し屋シリーズの魅力と読む順番)

殺し屋シリーズの読む順番と感想を書いてみました。

シリーズではあるものの、小説同士の繋がりが強いわけではないので、それぞれの作品は独立して楽しむことができます。そのため、厳密にこの順番ではないとダメというものはありません。

ただ、前の作品のキャラクターや事件について言及していることがあるので、基本的には刊行された順番で読むことをおすすめします!