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【タイトルが秀逸】小説10選!タイトルがすごい作品を紹介

タイトルー秀逸ー小説

本の題名がスゴイ! タイトルが秀逸!

このように聞いた時に、思い浮かぶ小説はありますか?

世の中には数多の小説がありますが、読み終えた時にタイトルの素晴らしさを痛感できる物語は、読後の爽快感がたまらないと思います。

今回はタイトルが素敵、素晴らしい作品を紹介していきます!

1.アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。(「BOOK」データベースより)

いわずと知れたミステリの名作。孤島に招かれた十人の男女が、童謡に見立てられて一人ずつ殺されていくという物語。

ミステリの王道として有名すぎる作品ですが、タイトルの通りに登場人物が一人、また一人と殺されていく。そして、最後には誰もいなくなってしまう。

この状況をミステリとして昇華させていく。まさにタイトルが秀逸な一冊です。未読の人は今すぐにでも読んで欲しいです。

2.森博嗣『すべてがFになる』

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。(「BOOK」データベースより)

S&Mシリーズの1作目。天才・真賀田四季の孤島で起こる殺人事件を描いたミステリィです。数学ミステリとも言われているシリーズですが、理系ではなくても楽しめます。

本作はタイトルの意味がわかった瞬間の爽快感がとても素晴らしいです。読み始める前の時点で『すべてがFになる』と聞いて意味がわかる人はいるのでしょうか。

少なくとも私はまったく想像がつきませんでした。そして、意味がわかった瞬間の「なるほど!だから『すべてがFになる』なのか!」というカタルシスが最高でした。

3.瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。血の繋がらない親の間をリレーされながらも出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき―。大絶賛の本屋大賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

親からの愛情を受けて育った優子。しかし、彼女は親が何度も変わっていて、苗字は3回も変わっていた。それでも、たっぷりと愛情を注がれていた優子は、とても幸せだった。

そんな彼女の、高校時代の話社会人になってから恋人との結婚を考えるまでの話を中心に描いた物語です。

ミステリではないので、驚ける要素はないと思いますが、最後にタイトルの意味を突き付けてくるシーンがあります。思わず目頭が熱くなってしまいました。

ストーリーを通じて描かれていた優子の幸せな人生。最後の最後までストーリーは華麗に表現されており、感動せずにはいられませんでした。タイトルの美しさが素敵な物語です。

4.東野圭吾『容疑者Xの献身』

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

ガリレオシリーズの3作目にして、初の長編作品。天才物理学者は、天才数学者が仕組んだ事件を看破できるのか?という物語。

ネタバレになってしまうので深くは書けないですが、トリックは正直微妙です。ただし、それはこの作品でなければの話です。この作品においては最高級のトリックです。

天才数学者の石神は、隣に住む女性に思いを寄せている。この思いから始まるストーリーが儚いですし、この状況だからこその事件、トリックの構成が上手な作品でした。

読了後には、このタイトルの意味を噛みしめたくなると思います。

5.米澤穂信『氷菓』

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ登場!第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。(「BOOK」データベースより)

古典部の文集の名前がなぜ「氷菓」なのか?

この謎を解き明かそうとする青春ミステリ短編集です。タイトル自体が謎になっているので、意味が秀逸というのは当たり前かもしれません。しかし、あなたの想像を遥かに上回るオチが待っているはずです。

意味に最後まで気づかなかったことも悔しいですが、わかった時に納得感も、ストーリーのオチとしての強さもあり素敵な作品です。

6.中村文則『去年の冬、きみと別れ』

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実は―。(「BOOK」データベースより)

猟奇殺人事件の被告の面会をするライターの話。彼はこの事件について調べて、記事にしようとするのですが、不可解な事件と関係者たちに面食らってしまう。そして、別の事件の足音も迫って来ていて…。

どんでん返しがすごいのですが、タイトル回収も含めた上で、世界の反転が起こります。

まったく思ってもいなかった事実がそこにはあって、最後には「そんな風に話が進んでいたなんて…」となること間違いなしです。

だからこそ、このタイトルの意味がわかった時には、鳥肌モノの衝撃がありました。

7.七月隆文『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』

京都の美大に通うぼくが一目惚れした女の子。高嶺の花に見えた彼女に意を決して声をかけ、交際にこぎつけた。気配り上手でさびしがりやな彼女には、ぼくが想像もできなかった大きな秘密が隠されていて―。「あなたの未来がわかるって言ったら、どうする?」奇跡の運命で結ばれた二人を描く、甘くせつない恋愛小説。彼女の秘密を知ったとき、きっと最初から読み返したくなる。(「BOOK」データベースより)

電車で出会った女子大生に一目惚れをしたぼく。声をかけたぼくは、何と彼女と交際するまでになる。しかし、彼女にはある秘密があるのだった。恋愛×ミステリをうまく掛け合わせた話。

勘の良い人はわかると思いますが、タイトルの長さや内容から何かしらの含みがあることはわかると思います。ただ、タイトルの意味がわかった時には、感動と驚きの二つが押し寄せてくるはずです。

すべてをわかった上で読み返すと、切なさに胸を締め付けられる。二度読み必至の一冊です。

8.まさきとしか『あの日、君は何をした』

北関東の前林市で暮らす主婦の水野いづみ。平凡ながら幸せな彼女の生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。大樹が深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていたのはなぜなのか。十五年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心な妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は必死で辰彦を捜し出そうとする。捜査に当たる刑事の三ツ矢は、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵を掴み、衝撃の真実が明らかになる。家族が抱える闇と愛の極致を描く、傑作長編ミステリ。(「BOOK」データベースより)

ある日の深夜。連続殺人犯の容疑者に間違われた息子が事故死をした。しかし、そもそも彼は何でそんな時間に外にいたのか。タイトルの通り、「あの日、君は何をした」のか?を追い求める母親の話。

そして、その十五年後に起きた殺人事件。まったくの無関係に見える二つの事件が紐づいて、最後には衝撃の事実が浮かんでくる。

最後に明かされる「あの日、君は何をした」の意味。読後に衝撃を残す余韻を伴っていました。読み終わった後は、しばらく呆然としてしまいました。

9.降田天『女王はかえらない』

小学三年生のぼくのクラスでは、マキが女王として君臨し、スクール・カーストの頂点に立っていた。しかし、東京からやってきた美しい転校生・エリカの出現で、教室内のパワーバランスは崩れ、クラスメイトたちを巻き込んだ激しい権力闘争が始まった。そして夏祭りの日、ぼくたちにとって忘れられないような事件が起こる―。伏線が張りめぐらされた、少女たちの残酷で切ない学園ミステリー。(「BOOK」データベースより)

3つの章で構成されている本作。スクールカーストのある小学校を、小学生・教師、そして真相の3つにわけて描かれています。

一見すると、よくわからないタイトルだと思います。しかし、読み終えた時にはゾッとする意味に気付くことでしょう。

また、ミステリとしてもかなり極上な作品となっており、タイトル回収に限らず、伏線回収が止まりません。伏線回収が好きという人にはかなりオススメできる物語となっています。

10.井上真偽『その可能性はすでに考えた』

山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。首無し聖人伝説の如き事件の真相とは?探偵・上苙丞はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。論理の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。(「BOOK」データベースより)

村で起きた事件を「奇蹟」としたい探偵。彼は、登場人物たちのありとあらゆる推理を、論理的に否定します。この時に彼が言うのが、タイトルもになっている「その可能性はすでに考えた」です。

探偵が推理を否定して、事件を「奇蹟」だと証明しようとする。この設定がかなり斬新で面白いですし、「その可能性はすでに考えた」という言葉は、設定に合致するタイトルになっています。

論理的な推理、多重解決ミステリも魅力的で読み応えのある作品です。