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【オチが予想外すぎ】麻耶雄嵩のおすすめ小説7選!どんでん返しに慣れた人に読んで欲しい

麻耶雄嵩ーおすすめ

ミステリ小説を読むことに慣れてしまった。どんでん返しのパターンに飽きてしまった。そんな悩みを持つミステリ好きにぜひ読んで欲しい作家がいます。麻耶雄嵩さんです。

一見、本格ミステリっぽい作品なのに、とにかく奇抜!どんでん返しに慣れている人でも「え、何?どういう意味なのこれ?」となってしまう作品が多いです。

今回は麻耶雄嵩さんのおすすめ小説を7冊、独断と偏見でつけたランキングと一緒にご紹介します!

7位『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』

京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城を彷彿させる館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇の幕はすでに切って落されていた。首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人、2人の名探偵の火花散る対決そして…。(「BOOK」データベースより)

依頼を受けて訪れた館で起こる殺人事件。木更津悠也とメルカトル鮎の二人の探偵が事件を解決するために捜査をする。この二人の推理バトルも本書の読みどころでしょう。

本格ミステリのような雰囲気で事件が起こるにも関わらず、進めば進むほどに読者がまったく予想していない事態になっていきます。事件が二転三転どころではないくらいひっくり返ります。

ミステリ好きの中でも好き嫌いが分かれそうな問題作。アンチミステリのような要素もあります。この作品が好きな人は麻耶雄嵩さんの大抵の作品を受け入れられると思います。

6位『隻眼の少女』

山深き寒村で、大学生の種田静馬は、少女の首切り事件に巻き込まれる。犯人と疑われた静馬を見事な推理で救ったのは、隻眼の少女探偵・御陵みかげ。静馬はみかげとともに連続殺人事件を解決するが、18年後に再び惨劇が…。日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した、超絶ミステリの決定版。(「BOOK」データベースより)

母に憧れて、母と同じようにして探偵になった少女・御陵みかげ。自殺を考えていた大学生・種田静馬は彼女と出会い、村で起きた事件と遭遇してしまう。事件を解決したはいいものの、18年後に再度事件が起こる。

7位で紹介した『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』と同じように、まったくもって想定していなかった展開の連続の作品。二部構成になっており、第一部でも第二部でも、同じ舞台で殺人事件が起こります。

第一部で解決したはずの事件の帰結は正しかったのか。普通のミステリでは考えられないような真実の連続に度肝を抜かれること間違いなしです。

5位『神様ゲーム』

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。(「BOOK」データベースより)

転校生の鈴木太郎は自分のことを神様と称する。彼は全知全能なので、世の中のすべてがお見通し。そして、その予言の通りに殺人事件が起こってしまう。

神様という特殊すぎる設定を用いたミステリ。そして、オチがとても強烈な作品です。強烈というか、まったくわけのわからない状態に放り出されるという感じが近いかもしれません。

事件の犯人は誰だったのか。作品のラストでは一体何が起こっていたのか。読後の衝撃が半端ではありませんのでご注意ください。

【感想】神様の言うことは絶対!問題だらけの児童書(麻耶雄嵩『神様ゲーム』)

4位『メルカトルかく語りき』

傲岸不遜で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。全員にアリバイあり、でも犯人はいる―のか?相棒の作家、美袋三条は常識破りの解決を立て続けに提示する探偵に“怒り”すら抱く。ミステリのトリックを嘲笑い自分は完璧とのたまう“銘”探偵の推理が際立つ五篇!(「BOOK」データベースより)

私が麻耶雄嵩さんに完全にハマった一冊です。

7位で紹介した『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』が主役の短編集。アンチミステリを極めたと言っても良いような物語ばかりです。

どの作品もきちんとした推理ができそうなミステリなのですが、どれも予想外のオチが待ち構えています。先読みすることは不可能なミステリばかりです。

特に「収束」「答えのない絵本」の2つが個人的には秀逸でした。こんな設定、オチのミステリを考えるのがすごいと痛感する。

【感想】本格ミステリ好きは読んじゃダメ!予想できるはずないラストの短編集(麻耶雄嵩『メルカトルかく語りき』)

3位『さよなら神様』

「犯人は○○だよ」。クラスメイトの鈴木太郎の情報は絶対に正しい。やつは神様なのだから。神様の残酷なご託宣を覆すべく、久遠小探偵団は事件の捜査に乗り出すが…。衝撃的な展開と後味の悪さでミステリ界を震撼させ、本格ミステリ大賞に輝いた超話題作。他の追随を許さぬ超絶推理の頂点がここに!第15回本格ミステリ大賞受賞。(「BOOK」データベースより)

5位で紹介した『神様ゲーム』の続編にあたる作品。ただし、話は独立しているので、前作を読まなくても問題ありません。本作は連作短編集となっており、前作同様に神様の鈴木太郎が登場します。

そして、どの作品でも「犯人は○○だよ」という鈴木のセリフから始まります。

最初の一行目に犯人が書かれている。かなり異質ではありますが、犯人がわかっている倒叙ミステリです。しかし、この倒叙ミステリという設定がうまくいきてきます。

特に「バレンタイン昔語り」のオチは衝撃的でした。予想外どころではありません。まったく構えていなかったところから考えもしなかった事実が浮かび上がってきます。

【感想】一行目に犯人の名前が書かれている短編ミステリ集(麻耶雄嵩『さよなら神様』)

2位『貴族探偵』

信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生!傑作5編を収録。(「BOOK」データベースより)

「推理という雑事はしない」という貴族探偵が主人公のミステリ短編集。ただし、主人公はほとんど出てきません。これだけでも奇抜な設定なのですが、作品も奇想天外なトリックばかりです。ミステリ好きには新鮮すぎました。

特に大好きな作品が「こうもり」です。この作品のオチはいまだに覚えています。というかこのオチを忘れることはできないと思います。

最初に読み終えた時の意味のわからなさ。再読して何が起きていたのかわかった時の呆然とする驚きのすごさ。このレベルの衝撃はなかなか出会うことができません。まだ読んでない人がとても羨ましいです!

【感想】推理をしない探偵のとんでもミステリ(麻耶雄嵩『貴族探偵』)

ちなみに、続編の『貴族探偵対女探偵』の「幣もとりあえず」も「こうもり」と同様にとんでもない衝撃がある作品です。『貴族探偵』が既読の方はぜひ続編も読んでみてください。

【感想】シリーズ2作目!とんでもミステリは健在!(麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』)

1位『蛍』

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。ここは十年前、作曲家の加賀螢司が演奏家六人を殺した場所だ。そして半年前、一人の女子メンバーが未逮捕の殺人鬼ジョージに惨殺されている。そんな中での四日間の合宿。ふざけ合う仲間たち。嵐の山荘での第一の殺人は、すぐに起こった。(「BOOK」データベースより)

『十角館の殺人』のように、学生たちが集った館・クローズドサークルで起こる本格ミステリ。一応、犯人の指摘もされるのですが、そんなことはどうでもよくなるような仕掛けが待ち構えています。

どんでん返しがすごいという触れ込みも多く、ワクワクしながら読んでいたのですが、なんとなくオチが読めてはしまう。と思っていたところでやってきた衝撃には、きっと思わず声が漏れてしまうでしょう。

この仕掛けを考えたことも、それを作品として完成させたことも、とにかくすごいと思いました。ある事実がわかった瞬間の「え、この人は何を言ってるの?」という衝撃が本当にすごかったです。何度読み返しても興奮してしまいます。

『貴族探偵』と同様に、まだ読んでない人が羨ましい作品。麻耶雄嵩さんの中でも特に読んでほしい一冊です。

【感想】小説好きが絶対に騙される一冊(麻耶雄嵩『蛍』)