賛否両論がある作品。何かしら新しい取り組みや仕掛けが用意されていることが多いです。今回もその一冊を紹介したいと思います。
宿野かほる『ルビンの壺が割れた』です。
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラスト。覆面作家によるデビュー作にして、話題沸騰の超問題作!(「BOOKデータベース」より)
最後に衝撃的な展開がある本作。確かに賛否両論だなと感じますが、個人的には「…」な感じでした笑
今回もネタバレなしで紹介していきます!
メッセージから始まる物語
水谷一馬は、28年ぶりにSNSで昔の恋人を見つけました。偶然の嬉しさと懐かしさを感じた一馬は、結城未帆子というその人へメッセージを送ります。
近況報告と大学時代の話を綴ったメッセージ。何度か送ると彼女から返信がありました。二人は思い出話に花を咲かせます。
実はこの物語はこの二人のメッセージのやりとりだけで進んでいきます。そのためテンポがとても良い。また、ページ数も160ページ程度で読みやすいです!
会話の中身が不穏になっていき…
思い出を語り合っていた二人ですが、実は過去にある出来事が。未帆子は一馬との結婚式当日にドタキャンしていたのです。しかも、その後失踪までしてしまう始末…。
「なぜそんなことをしたのか?」「過去に何があったのか?」
二人は互いに知らない話を始めます。二人に隠された秘密が徐々に明らかになっていく過程は面白かったですね。
最後は衝撃的だったけど…
そして、評判になっているラスト。確かに最後の最後には「そうだったの?」というオチがありました。ただ、そこまでの伏線がどうしても弱すぎる…。
なぜそうだったのか?
どうしてそうなったのか?
もう少しネタバラシに行く付く必然性が欲しいなと感じたのが本音です。確かに帯に書かれているような感想はわからなくもないですが、個人的には「うーん…」と思ってしまいました。笑
賛否両論作品ということもありますので、読んだ人の感想は是非聞いてみたいなと思う作品です。