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【感想】鈴木を演じれば借金チャラ?裏に隠された驚きの真実(木下半太『鈴木ごっこ』)

テンポの良い会話と後半の凄まじい伏線回収が得意な作家・木下半太さん。劇の主催もされているので、舞台を見ているような物語展開でもあります。

【感想】ラストですべてが繋がる爽快感(木下半太『悪夢の観覧車』)

今回はその中でも、少し変わった設定の物語を紹介します。

木下半太『鈴木ごっこ』です。

「今日から、あなたたちは鈴木さんです」。巨額の借金を抱えた男女四人が豪邸に集められた。彼らの責務は、ここで一年間、家族として暮らすこと。見知らぬ者同士が「家族ごっこ」に慣れてきたある日、貸主から次なる命令が下った。失敗したら四人に未来はない―。貸主の企みの全貌が見えた瞬間、想像を超えた“二重の恐怖”がつきつけられる!(「BOOKデータベース」より)

帯に書かれた「鳥肌のどんでん返し!」が気になって買ってみましたが偽りなし。ラストはとにかくえげつなかったです。笑

借金を背負った4人の男女

夫の借金を肩代わりすることになった女性。中年の男、パーカーの青年、スーツの男の3人と鈴木という家族を演じることになってしまった。

彼らはそれぞれが2500万円の借金を背負っていて、その免除条件が、鈴木として一年間過ごすことだった。

なぜこのようなことをして借金がなくなるのか?

貸主の意図はわからないが、彼らは家族を演じるのでした。

貸主からの謎の命令

そんなある日、彼ら4人に貸主からある命令が。それは隣の家に住む奥さんを恋に落とせというもの。

3人家族で豪邸に住む隣家の奥さん。弱みを握ることで借金がなくなるほどの価値があるのだなと鈴木家は考えます。

4人はどうにか彼女を落とすために奔放しますが、なかなかうまくいかず…。1年間の猶予は徐々になくなっていきます。彼らはしっかりミッションを達成できるのか?

ラスト7行で明らかになる真実!

本作はたった200ページ程度の作品です。しかも、会話のテンポが良いのでスラスラ読めます。4人の奮闘劇の面白さは読んでいて痛快です。

ただ、最後の最後にはゾッとする展開が待ち受けていました。一瞬、何が起きたのか?となってしまいました。それくらい突拍子のないネタが隠されています。

どんでん返しが素晴らしく、伏線回収も素晴らしいです。

あっと驚くこと間違いなし。短くすぐに読めるので気になる方は絶対にチェックしてくださいね!