今更ながら2018年の本屋大賞作品を読んでみました。
辻村深月『かがみの孤城』です。
まずはあらすじを紹介します。
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた――
なぜこの7人が、なぜこの場所に。
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。一気読み必至の著者最高傑作。
しかし、2019年の1冊目に選んだことを後悔しています。
面白過ぎたからです。(語彙力)
今年これから読む作品大丈夫かなと今から不安になってます。笑
簡単なあらすじ
物語の主人公は中学1年生の女の子“こころ”。
ある出来事がきっかけで学校に通えなくなってしまいます。
そんな、ある日。
こころの部屋の鏡が突然光りだし、鏡の中の世界へ誘いこまれます。
目の前には豪華なお城と同い年くらいの男女が6名。
そして、オオカミのお面をした小学生くらいの女の子が。(自称:オオカミさま)
オオカミさまは言いました。
「城のどこかに隠された鍵を見つけた者は願いを1つ叶えられる」
・こころたちはなぜ城に誘われたのか?
・鍵はどこにあるのか?
・そしてみんな何を願うのか?
こころたちの不思議な物語が始まりました。
初期の辻村作品を彷彿させる作品
あらすじをざっくり書いてみましたが、設定が初期の辻村作品でした。
不思議な空間を舞台に謎をひも解いていく展開は、まさに『冷たい校舎の時は止まる』です。
そして肝心の謎解きシーン。
なぜこころたちは城に集められたのか?のような提示されている謎以外にも、驚きポイントは満載。
そこまで周到に伏線があったのかと唸るほどラストは怒涛の展開です。
なんとなく「〇〇なのでは?」と想像しても、すべての伏線に気づくのは難しいと思います。(僕もそこまで!?と思わずなりました)
かつ、この作品はミステリであってミステリ要素が重要ではないです。
読んでいて心が温まる、人間ドラマが見どころになっています。
人間ドラマを軸にミステリとして物語を展開しちゃうんだから辻村さんはすごい!
世の中に生きづらさを感じている人には刺さること間違いなし。
550ページ程度の長編ですが、すぐに読めてしまう1冊。
表現ではなく、本をめくる手が止まりませんでした。
少しでも気になっているのであれば、今すぐに読むことを強く強くオススメします!
さて、今年の小説は一気にハードルが上がってしまったが大丈夫だろうか。
ちょっとした生きづらさを感じています。笑