辻堂ゆめ『悪女の品格』を紹介します。三股しては男性に貢がせている女性・めぐみ。そんな彼女に降りかかる事件の数々。犯人は同時並行中の誰かなのだろうか?
どうして私がこんな目に?めぐみはここ一週間、連続して危険な目に遭っていた。まずは監禁事件、次に薬品混入事件。犯人は、めぐみが三股をかけた上に貢がせている男性たちの誰かなのか。さらに彼女自身の過去の罪を仄めかす手紙まで届き、危機感を募らせためぐみは、パーティーで知り合った大学准教授とともに犯人を捜し始める。「悪女」による探偵劇の顛末を描く長編ミステリ。(「BOOKデータベース」より)
全く感情移入のできない主人公という珍しい作品でした笑。今回も作品も見どころを紹介していきます。
悪女に降りかかる災難の数々
小学生時代にはいじめしていた。そして、今は3人の男性と同時並行で付き合っては貢がせている。なかなかに性悪な女性です。そんな彼女の身に災難が。
何者かに監禁されたり、薬品を混入されたものをプレゼントされたり。身の危険を感じる事件に巻き込まれてしまうのでした。犯人は一体だれか?
めぐみは、お見合いパーティーで出会った准教授の男性と犯人探しを始めるのでした。
犯人は前に虐めていた同級生か?
事件が進むにつれて、あることがわかっていきます。犯人はどうやら、めぐみが小学生時代にいじめていたことに見立てた事件を起こしていたのです。
彼女にこのような復讐をするのであれば、犯人は小学生時代の被害者になるのではないか?
このような中で物語は進んでいくのですが、読者の予想は思ったそばから少しずつ潰されていきます笑。この話の進め方もとても上手だなと感じましたね。
主人公のことは理解はできないと思う笑
尚、本作の主人公・めぐみのことは全く理解できないと思います笑。自分勝手で、人のことを所有物や自分より格下と思っている節がある。傲慢でわがままな、かなり嫌な性格だなと感じました。
そんな女性に災難が降りかかってその犯人を捜すという作品。悪人のために犯人を見つけるのはなかなかないですよね。
最初から最後まで理解はできませんでしたが、ミステリとしては面白かったです。辻堂作品の中でも、ライト寄り。『片想い探偵』に似た作品かなと思います。軽めのミステリを読みたい方にはおすすめの一冊です!