知念実希人『誘拐遊戯』を紹介します。
警察の信用を失墜させた、女子大生誘拐殺人事件から数年後。同一犯とみられる誘拐事件が発生した。しかし、前の事件の犯人は死んだはずだった。
東京・白金で暮らす女子高生が誘拐された。身代金は5000万円。犯人を名乗るのは、4年前の女子中学生誘拐事件の犯人「ゲームマスター」。交渉役には元警視庁刑事・上原真悟を指名。ゲームマスターのミッションを果たすべく、上原は池袋、豊洲、押上など、東京中を駆け回るが……。衝撃の結末が待つ犯罪サスペンス!
どんでん返しがすごいという話を聞いて手に取った本書。まさかのオチに思わず茫然としてしまいました…。
ゲームマスターによる誘拐
本作は4年前のある事件から始まります。ゲームマスターという誘拐犯が、ゲームと称して警察官の上原にミッションを与えます。
その時、一つのミッションをクリアできず、人質は殺害されてしまいました。この事件をきっかけに上原は警察官を辞めることになります。
しかし、4年の時を経て、ゲームマスターが再び誘拐を行い、ゲームを始めます。しかも、警察官を辞めている上原を交渉相手に指名して。ただ、ゲームマスターは4年前の事件後に自殺しているとされていたのでした。
犯人の目的は身代金ではない?
そもそも、ゲームマスターは何者なのか?
そして、本当に身代金が目的の犯行なのか?
何もわからないまま上原はゲームマスターとの、誘拐という名のゲームに付き合わされます。
4年前の事件と同じように、ミッションを負わされる上原。そして、これらをこなしながら、犯人の正体を推理していきます。
そして、最終的には、ある一つの可能性に思い当たるのでした。
予想できないオチが素晴らしかった
ゲームマスターの正体が明らかになってからも、あまり驚きは少なかったです。
正直、騒がれるほどのどんでん返しはないなと感じました。あることがわかるまではですが…。
最後の最後に予想もしていなかった展開になっています。。しかも、前半から巧妙にその仕掛けは施されていた。好みのどんでん返しでした。
ただ、これは人によって好みがわかれそうなオチだなとは感じます。苦手な人には苦手かなと。ただ、驚けるという意味では最高です。これに騙されない人はなかなかいないはず。