【感想】辻堂ゆめのおすすめ小説5選!ミステリ好きは読み逃し厳禁!

独特の空気感で描かれる人間ドラマ。そして、その中に張られている伏線がとても巧妙。読んでいて爽快感を味わえるミステリが多い辻堂ゆめさん。

第13回『このミステリーがすごい!』大賞で優秀賞を受賞しデビューした作家です。

どんでん返しや伏線回収ものには目がない私(知らん)ですが、辻堂さんの作品はどれも一級品。とにかく面白いです。

もっとたくさんの方に辻堂さんの魅力を知ってほしいので、今回は特に面白かった5つの小説を紹介します!

私個人の独断と偏見でランキングにしました。完全に好みの問題なのでご了承ください。笑

5位『あなたのいない記憶』

約十年ぶりに再会した優希と淳之介。旧交を温める二人の会話は、二人の憧れの人物「タケシ」の話になった途端、大きく食い違い始める。タケシをバレーボール選手と信じる淳之介と、絵本の登場人物だという優希。記憶に自信が持てなくなり、戸惑う二人は心理学者の晴川を訪ねるが、どちらの記憶も「虚偽記憶」―他人の“明確な意図で”書き換えられた嘘の記憶だと告げられる。記憶をめぐる、恋愛ミステリー。(「BOOK」データベースより)

記憶を題材にしたミステリ。幼少期を同じように過ごした二人は「タケシ」という人物に食い違う記憶を持っていました。

誰が何のために虚偽記憶を植え付けたのか?

作品冒頭から小さな謎が散りばめられており、最後にはすべてが解決する。トリックもさることながら、どんでん返しの先にあった人間ドラマが美しかったです…。精神的な面で、読んでて少ししんどくなる、心苦しい作品でした。

【感想】虚偽記憶が植え付けられた理由は?新しい恋愛ミステリ(辻堂ゆめ『あなたのいない記憶』)

4位『今、死ぬ夢を見ましたか』

井瀬は電車の中で、駅のホームから何者かに突き落とされて、親友の五味淵と共に死ぬ夢を見た。隣に乗り合わせた女子高生・紗世は夢の内容を当て、さらに自分も同じように電車に轢かれた夢を見たことがあると告白する。電車で見た夢は必ず自分の身に起こると言う紗世の言葉通り、夢は次々と現実になり―。紗世の制止を振り切り、井瀬は自分たちの死を回避すべく奔走する!(「BOOK」データベースより)

電車で見た予知夢を題材にしたミステリ作品。本書の最大の見どころはラストのどんでん返し。気付けなかったことがとても悔しくなりました。「まさかそんなところに伏線が張ってあったとは…」という感じです。

予知夢というSF設定を思う存分に使ったトリックで、種明かしの瞬間は最高でしたね。爽快に騙されました。メイントリックと後半の心苦しさは素晴らしかったです。ただ、欲を言うともうひと捻りあったらな…という作品でした。

でも、メインのどんでん返しだけでも満足できるはずです!

【感想】衝撃のどんでん返し!自分が死ぬ将来は変えられるのか?(辻堂ゆめ『今、死ぬ夢を見ましたか』)

3位『いなくなった私へ』

人気絶頂のシンガーソングライター・上条梨乃はある朝、渋谷のゴミ捨て場で目を覚ます。昨夜からの記憶がなく、素顔をさらしているのに誰からも上条梨乃と認識されない状況に戸惑う。さらに街頭ビジョンには、上条梨乃が自殺したというニュースが流れており…。梨乃は自分を上条梨乃と認識できる青年・優斗らの力を借り、自らの死について調べだす。第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作!(「BOOK」データベースより)

辻堂ゆめさんのデビュー作。最初に手に取った作品でしたが、とてつもなく面白かったです。

気付いたら誰も自分を別人として認識する世界にいた梨乃。しかも、現実の自分は既に死んでいるらしい。このわけのわからない設定で繰り広げられるストーリーが最高でした!

  • 梨乃はなぜ死んだのか?
  • 死んだはずなのに生きているという今はどんな状況なのか?
  • 自分を梨乃だと認識できる人間もいるのはなぜか?

この謎は最後にはキレイに解決されます。SF設定のミステリなので、非現実的な面はあるものの、設定を駆使したネタバラシに度肝を抜かれました。

不思議な世界の謎が解けていく本作。少しづつ霧が晴れていき、最後には爽快な気分を味わえますよ。

【感想】驚愕のラスト!自分が認識されない理由とは?(辻堂ゆめ『いなくなった私へ』)

2位『コーイチは、高く飛んだ』

全日本種目別選手権の鉄棒で優勝した体操界期待の新星・結城幸市は、コーチを務める両親や応援してくれる幼馴染らに囲まれ、充実した日々を送っていた。だがある日、妹の似奈が階段から転落し、意識不明の重体になったときから、すべての歯車が狂い出す―。立て続けに重なる不幸に心が折れかけながらも、幸市は大会に向けて猛練習に励む。瑞々しい青春スポーツミステリー。(「BOOK」データベースより)

過去と現在の2つの視点で話が進む本作。過去では幸市の周囲で起きた不幸な事件を扱っています。父の冤罪や妹の転落事故など、これでもかというほどに悲しい出来事が起こります。

過去と現在の視点を交互に語られて進む本作ですが、どんでん返しが非情でとても切ない。

驚き要素は満載だし、読んで想像してイメージが一瞬にして崩れ去りました。それほどまでにインパクトのあるラストだったのですが、それ以上に見えていなかった真実が苦しすぎました…。

あまり多くを語るとネタバレになりかねないので、ミステリ好きはまず読んでください。言いたいことがわかると思います。笑

【感想】最後のネタバラシは一級品!切なさでいっぱいになる読後感(辻堂ゆめ『コーイチは、高く飛んだ』)

1位『あの日の交換日記』

「クラスの大杉寧々香を殺します」 私は先生との交換日記にこう書いてみた。その時の先生の反応は? 全7話の連作短編。 いろいろな「ふたり」がやりとりする交換日記には、謎が――。(作者のブログより)

1位は今年4月に刊行された本作。2020年になってから既に数十冊は小説を読んでいますが、その中でも最も面白かったです!

本作には7つの短編が収録されています。そして、全話にどんでん返しが用意してあって、どれも最後にアッと驚かされます。

もちろん、短編の1つ1つだけでも十分に楽しめるのですが、それだけではありません。最後の物語ですべての話が一つに繋がります。

今まで何を読まされていたんだ…」となってしまいました。

自分の想像とは全く別の物語が進行していたからです。あまり多くを語ってしまうとネタバレになるのでこの辺で。笑

本作はミステリが好きという人はもちろんですが、ヒューマンドラマや心温まる話が好きな人にもハマる作品です。気になった人は是非、自分の目で驚きの世界を味わってください。

【感想】伏線回収は一級品!心温まる7つの短編(辻堂ゆめ『あの日の交換日記』)